本記事は、2024年9月6日にSEARCH ENGINE ROUNDTABLEで公開された「My Interview Of Google’s Search Liaison On The August 2024 Core Update」を翻訳した記事です。Googleのダニー・サリバン氏が2024年8月に実施されたコアアップデートと今後の展開について語ってくれました。
今週、私はGoogleのダニー・サリバン氏にインタビューを行い、Google検索の現在の品質状況、将来の方向性、そしてコンテンツクリエイターや検索マーケターが知っておくべきことについて話を聞きました。
※記事内では、ウェブコンテンツ制作者を「クリエイター」と呼称します。
このインタビューでは、議論を呼んだ2023年9月のヘルプフルコンテンツアップデートや2024年3月のコアアップデートを含む、最新のコアアップデートに焦点が当てられました。過去11か月間にサイト運営者が直面した厳しい状況と、Google検索がその影響を和らげるために行っている対策について伺いました。
本記事はインタビュー形式で、非常に長い構成となっています。ChatGPTやGeminiで要約することもできますが、完璧な要約が難しく、全ての内容をお伝えしたいと考えております。
※SEO Japan編集部では、生成AIを活用し翻訳を実施しましたが、可能な限り原文に沿った内容になるよう努めています。
目次
サリバン氏は、コアアップデートの目的として、全てのユーザーを対象にGoogle検索を改善することだと述べています。また、コアアップデートに関する公式文書を基に、詳細な説明を加えました。
サリバン氏は、コアアップデートをスマートフォンの大規模なソフトウェアアップデートに例えました。
「スマートフォンは時々、小さなアップデートを行いますが、ほとんどの人は気づきません。Google検索も同様に年間約5,000回のアップデートを行っています。
そして、スマートフォンは大規模なアップデートも行います。検索エンジンにとって、コアアップデートは同様に大規模なアップデートに相当するのです。」と述べました。
SEO業界の関係者が抱いていた大きな疑問の1つは、【2024年3月と8月のコアアップデート間でGoogleが行った変更は何だったのか】ということでした。
Googleは当初、3月のコアアップデートが最大級のものだと発表し、多くの人は2023年9月のヘルプフルコンテンツアップデートで大きな影響を受けたサイトが改善されるだろうと期待しました。しかし、ほとんどのサイトに改善が見られない結果となりました。
その後、8月のコアアップデートで、様々な順位変動が見られましたが、何が変わったのでしょうか?
サリバン氏は、今回のコアアップデートの変更について具体的に説明してくれませんでしたが、「定期的かつ段階的な改善を行おうとしました」と語っています。それはどういう意味なのでしょうか?
サリバン氏は、そのプロセスを次のように述べました。「様々なランキングシステムを見直し、より改善する方法を検討します。そしてテスト検証を行い、最終的には人間の評価者に送ります。評価者たちは、全体的に検索結果が改善されたかを確認し、アップデートを公開します。」
「それでもまだ完璧ではないので、そのプロセスを繰り返し、さらなる評価やテストを行います。加えて、異なる側面を見つつ、ランキングシステムをより良くする方法を探ります」と彼は言いました。
また、「小規模な独立サイト」を、より適切に評価する方法についても言及していました。彼は「我々は、それらのサイトを助けるいくつかの変更を行いました」と述べています。
ただし、「それらの改善はまだ完了しておらず、将来のコアアップデートでさらなる改善が行われるだろう」と、Googleは付け加えました。
私が小規模で独立した高品質なサイトについて質問したとき、サリバン氏は「高品質なコンテンツを発信している優れたサイトは確かに存在します」と共感してくれました。
「我々は、それらの優れたサイトが検索上でも正しく評価されることを望んでいます。Googleが行っている改善は、最終目標であるユーザーの役に立つコンテンツを適切に評価できるランキングシステムに改善し続けることです」とも述べていました。
したがって、3月のコアアップデートから8月のコアアップデートにかけてのGoogleの取り組みは、これらの小規模で独立したサイトをより適切に評価することでした。また、Googleはまだ改善を続けているため、将来のコアアップデートでさらなる進展が期待できます。
前述の通り、Googleは、「特に小規模な独立系サイトからの高品質コンテンツを適切に評価する改善を続ける」と述べました。
この取り組みについて質問した際、サリバン氏は「明らかに改善できる点、改善すべき点、改善したい点がある」と述べました。
素晴らしいコンテンツを作成しているにもかかわらず、Google検索で適切に評価されていないと感じているサイト保有者に対して、諦めるべきではないと、サリバン氏は語っています。
「本当に良いコンテンツを作成しているにもかかわらず、最新のアップデートで十分な成果が得られなかったとしても、諦める必要はありません。
なぜなら、我々の目標は、良いコンテンツを発信しているサイトを評価することだからです。そして、我々があなたのコンテンツを十分に評価できていなかったとしたら、それは今後のアップデートで改善したいと思っている箇所です。」
「我々は将来のアップデートが、より良い方向に向かっていくことを願っています。」と彼は付け加えました。
私が質問とともに、いくつかの例を挙げると、サリバン氏は「今回のアップデートで一部のサイトに良い影響を与えたと思いますが、昨年9月頃の状態には戻っていません。」と述べました。
サリバン氏は、そのうち一部のサイトは時間とともにランキングの改善が見られる可能性があると示唆しました。
「小規模なサイトであれ、大規模なサイトであれ、もし本当にユーザーのためになる高品質なコンテンツを作成しているなら、自ずとランキングは上昇してくるはずです。私もそう望んでいます。
しかし、全てのサイトの回復を約束することはできません。なぜなら、アルゴリズムは変化し、インターネット上には常に新しいウェブサイトやウェブページが存在するからです。
つまり、9月の状況から変化してしまった今、元のランキングに戻すことはできないのです。」とサリバン氏は言いました。
「そして、我々のランキングシステムは変化しており、その中でも、フォーラムコンテンツやソーシャルコンテンツなど、様々なコンテンツも評価しています。なぜなら、それは多様な検索結果を提供する上で重要な部分だからです」とも述べています。
サイト順位を回復させるには、次のコアアップデートを待つ必要があるかもしれません。「あなたがすべきことは、検索ユーザーのために正しいことをしているかを確認することです。
そうすれば、Googleは長期的にあなたのサイトを適切に評価するはずです。我々のランキングシステムはユーザーの役に立つコンテンツを評価しようとしています。」とサリバン氏は述べています。
しかし、「もしランキングシステムを追いかけているなら、あなたは少し遅れをとっています(※)」と彼は警告しました。(※「ランキングシステムを追いかける」のではなく、「ユーザーのニーズを満たす高品質なコンテンツを作成する」ことに注力すべきだと示唆している。)
2024年3月、Googleは、3月のコアアップデートの影響に対して、静観するように促しました。8月のコアアップデート後も同様です。
5月、Googleのジョン・ミュラー氏は、「Googleがより心のこもった良いコンテンツを評価する取り組みをしている」と述べました。
その1週間前、サリバン氏は、「これらのサイトをより適切に評価する作業をしている」と述べました。Googleは、「これらのサイトが回復できるだけでなく、9月以前の結果を超えて急上昇する可能性がある」と述べています。
つまり、 検索改善に関するGoogleの声明は11月まで遡ります。私たちは6か月後にその声明を詳しく調べました。
Googleはヘルプフルコンテンツアップデートの回復時間について、当初は数週間かかると言いましたが、今では一部のサイトで11ヵ月以上かかっています。後にGoogleは、「これらの変更が当初議論されたよりもずっと長くかかる可能性がある」と私たちに伝えました。
11か月が経った今、Google は依然として、素晴らしいコンテンツを作り続ければ順位を回復することは可能だと言っています。しかし、Hardbaconや他のサイトで見られたように、多くの人は経済的にも精神的にも余裕がなくなってきています。
ランキングが向上しても、必ずしもウェブサイトへのトラフィック増加につながるとは限りません。これまでと異なるSERPsは、トラフィックに大きな影響を及ぼします。例えば、広告やスクロール検索結果、その他のインターフェース要素があり、自然検索結果を押し下げ、トラフィックが減少する可能性があります。
「Google検索は、あなたのコンテンツを高く評価しています。本当に良いコンテンツを作成しており、検索結果の最初のページにランキングされているなら、あなたは正しいことをしていると感じるべきです」と述べました。
ただし、「1位から2位に移動すると、顕著なトラフィックへの影響となる可能性があります」と付け加えました。「それは我々があなたのコンテンツを好まないということではありません。我々はあなたのコンテンツを高く評価しており、それ故、1ページ目のような高いランキングを獲得できているのです。
しかし、検索者がそれらの結果をクリックしていない可能性があります。おそらく、1ページ目の中でも順位が低いか、Redditやほかのフォーラムのコンテンツが上位に表示されているためかもしれません。
Googleはこの状況を、「検索トラフィックのデバッグに関するヘルプドキュメント」で説明していると、サリバン氏は述べました。
サリバン氏のコメント:「1位から2位に移動すると、それは顕著なトラフィックへの影響となる可能性があります。
それは我々があなたのコンテンツを好まないということではありません。我々は明らかにあなたのコンテンツを高く評価しています。だからこそあなたはトップ領域の検索結果にいるのです。
しかし、他の要素や広告がより高く表示されているため、かつてのトラフィックを取り戻すのは難しいでしょう。その上位にランクされたコンテンツも同様に人々にとって有用なものです。そして全体的に見て、検索結果のすべてが人々にとって有用であれば、結果的にみんなが利益を得ることになります。」
2024年3月のコアアップデートにより、Googleは新しいヘルプフルコンテンツアップデートの発表を停止しました。これは、ヘルプフルコンテンツシステムがコアアップデートシステムに統合されたためです。
ヘルプフルコンテンツシステムは大幅に見直しされ、現在は2024年3月のコアアップデートに組み込まれています。
サリバン氏は、ヘルプフルコンテンツアップデートがなくなったため、「人々がヘルプフルコンテンツシステムについて話し続けるのは難しい」と述べました。現在は、「あらゆる側面で有用性を評価するコアランキングシステムがある」と説明しました。
2023年9月のヘルプフルコンテンツアップデートでネガティブな影響を受けたサイトについて、サイト運営者たちは今後どのように対応すべきか悩んでいました。
サリバン氏はこの状況を認識しており、『そういった影響を受けたサイトの例をいくつも見てきた』と述べました。さらに、彼はそれらの例を『心に響く例』と表現し、中には『私たちのシステムがもっと適切に評価できればいいのに』と思うサイトもあった」と付け加えました。
しかし、上記のようなアップデートの影響を受けたと思われていたサイトの中には、実際にはそうでないものもありました。
以前のコアアップデートの影響を受けたのかもしれませんし、後のコアアップデートの影響を受けたのかもしれません。
サリバン氏は、「実際にトラフィックが増加しているのに、まだ何か問題があると考えている」サイトの例も見たと言いました。サリバン氏はそれらのフィードバックフォームを通じて多くの例を確認したと語っています。
次に、ヘルプフルコンテンツアップデートに何か問題があったのかという質問を投げかけました。なぜ2023年9月に一部のサイトが大きな影響を受け、 2024年8月のコアアップデートで改善が見られたのでしょうか?何らかのバグや問題があったのでしょうか?
サリバンは「いいえ」と答え、バグはなかったと述べています。ヘルプフルコンテンツアップデートが無くなった理由は、「ヘルプフルコンテンツシステムを、より広範なランキングシステムに統合したためです」と説明しました。
Googleは、以前にも同様のことを行っており、サリバン氏は「これは、Pandaのような他の独立したシステムでも起こったことです」と述べました。なお、この統合プロセスは2016年にパンダアップデートでも実施されました。
では、なぜ今回のアップデートまで改善が見られなかったのでしょうか?彼もはっきりとは分からないようで、3月のコアアップデートが「全く新しいシステム」だったため「明確に回答するのは難しい」と言いました。
「改善されたサイトの順位がもっと良くなっていればいいのに」と3月のアップデートについて言及しましたが、コアアップデートには多くの異なるシグナルが関与しているため、確実なことは言えないとのことでした。そのため、どのシグナルがいつ登録されたかを一般的な観点で測定するのは難しいのです。
「システムが停止してしまったということはないと思います」とサリバン氏は言いました。これまでのアップデートのリリースは、Googleのエンジニアがこれまでの方法に基づいて実施しているとのことです。
しかし、どんなに優秀なエンジニアでも問題が発生する可能性はあり、私がそのことを指摘すると、サリバン氏は再び「いいえ、システムがそのように停止してしまったということはないと思います」と言いました。
コアアップデート中に見られるランキングの変動について質問しました。コアアップデートの展開中にGoogleが調整を行うのかと尋ねたところ、「いいえ、調整は行いません」との回答で、「アップデートの進行中にランキングシステムを変更することはありません」とサリバン氏は明言しました。
続けて、「アップデートを展開する前に、評価、テスト、検証が行われ、最後に評価者によるレビューが行われます」と述べました。したがって、アップデートの途中で変更する必要はないとのことです。
唯一の調整は、アップデートがすべてのデータ センターに展開されていない場合に行われますが、これはランキングシステムの調整ではなく、展開方法のバグにすぎないそうです。
8月のコアアップデートの開始時に検索ランキングの問題が発生しましたが、リリースの4日後に修正されました。サリバン氏は、この問題とコアアップデートは無関係であり、コアアップデート自体には「全く関係がなかった」と繰り返し強調しました。
私はこちらの記事でサイト順位の回復に関するデータをサリバン氏に共有し、「今回のアップデート以降、小規模な独立系のサイトがどのくらい回復しているのか、そのデータがあるかどうか」を尋ねましたが、サリバン氏は、「具体的な数字は持っていない」とのことでした。
Googleの検索アルゴリズムが原因で破産に追い込まれた「Hardbacon」というサイトのケースを取り上げ、Google検索からのトラフィックがほとんどないサイトが、どうやって11か月という長期にわたって、優れたコンテンツを作り続け、従業員の給与を支払い、事業を続けることができるのかと言及しました。
サリバン氏は、そのようなケースに対して「コンテンツ制作意向は間違っておらず、我々のランキングシステムが十分に機能していない場合もあります。それが我々が引き続き改善すべき課題です」と述べました。
また、「読者のために、高品質なコンテンツを制作しているのであれば、続けるべきです。最終的には、我々はそのようなコンテンツを適切に評価できるように努力し続けます」と言いました。
サリバン氏は再度、以下のように語りました。「優れたコンテンツを作り続けているのであれば、それは続けるべきです。そして、私たちはそのコンテンツを正しく評価するためにもっと良い仕事をしなければならない」
サリバン氏のコメント: 「良質なコンテンツを制作しているサイトが明らかにあり、その意図が正しいにもかかわらず、我々のランキングシステムがそれに応えられていない場合があります。そういったケースについて、我々は改善に取り組んでいます。もしあなたがユーザーに役立つコンテンツを作成しているなら、作成し続けてください。そして、我々はそのようなコンテンツを評価できるよう、引き続き努力します。」
さらに、サリバン氏は「9月以前のレベルを超えて改善が見られる可能性もあります」とも述べています。
Googleは、2024年3月のコアアップデート時にフィードバックフォームを公開しましたが、2024年8月のコアアップデートでは公開されませんでした。
その理由を尋ねたところ、サリバン氏は「前回のフィードバックがまだ多く残っており、それを処理する必要があるため」と説明しました。
前回のフィードバックフォームでは、12,000件の提出があり、1,300件の異なるドメインが報告されました。サリバン氏によれば、多くのユーザーが複数回フォームを提出しており、同じドメインから1,700回以上も提出された例もあったとのことです。
フォームは約1か月間利用可能で、1,300件の異なるドメインが報告されました。サリバン氏は、フォームの提出が何万件、何十万件もあったわけではない、全員がフィードバックフォームを記入するとは限らないが、それでもかなりの数が集まったということを指摘しています。
サリバン氏はすべてのフィードバックを確認し、「非常に有益で役立つものがたくさんありました」と述べました。また、提出されたすべてのフィードバックを手作業で確認し、Google検索のエンジニアリングチームに改善点を報告したとのことです。
「これらのフィードバックに基づいて、最新のコアアップデートでもいくつかの改善が行われましたが、まだやるべき作業が残っています」とサリバン氏は付け加えました。
サリバン氏はこのフィードバックの確認作業を、「Miracle on 34th Street」という映画のシーンに例えました。「サンタに送られた大量の手紙が法廷に積み上げられる場面があるでしょう。その時の気持ちと同じです。フィードバックがたくさんあって非常に有意義でした」と述べました。
Googleは、これらのフィードバックを処理しているため、新しいフィードバックフォームを公開する予定はありません。「現在のフォームから十分なフィードバックが得られているので、次のフォームをまだ公開する必要はありません」とサリバン氏は説明しました。フィードバックの処理が終わり次第、新しいフォームが公開されるとのことです。
ダニー・サリバン氏が強調したもう1つの点は、フィードバックフォームの記入が特定のサイト変更につながることはないということです。Googleは、フォームを記入したからといって、特定のサイトを優遇したり、ペナルティを科したりすることはありません。
Googleは、フィードバックの内容をアルゴリズム改善に活用しており、特定のサイトのランキングを手動で調整することはありません。サリバン氏も「フィードバックフォームを送信したからといって、そのサイトが特別な利益を得るわけではありません。また、声を上げたからといって、不利益を被ることもありません」とサリバン氏は語っています。
また、「ランキングシステムは、特定のサイトを強化したり、ランクを下げたりするわけではなく、全てのサイトに対して機能するように設計されています」と述べました。そのため、フォームを使用していないサイトでも、ランキングが改善している例があると説明しています。
私がインタビューの後半で再度この話題に触れたところ、サリバン氏は「以前も言いましたが、我々はサイトを動かしているわけではありません」と繰り返しました。
会話の中で、コンテンツマーケティングについて議論になりました。これは、Google検索を意識して、上位表示されやすいコンテンツを作成し、サイトへの訪問者を増やす戦略です。
サリバン氏は、フィードバックフォームで挙げられた例として、地元の配管工のサイトを取り上げました。このサイトは、地域の配管に関する検索で上位に表示されていませんでした。サリバン氏によると、そのサイトのコンテンツは「蛇口の修理方法など、ありふれた配管工の情報」に過ぎないようでした。つまり、一般的すぎて、実際の顧客獲得にはつながりにくいと考えられます。
サリバン氏は、「そのサイトが得ているアクセスの多くは、おそらく実際のリードにつながっていないものだろう」と推測しました。一方で、「その配管工が地域特有の配管問題について、自身の経験に基づいた専門的な情報を共有していれば、Googleはそれをより高く評価するだろう」と述べています。
コアアップデートに関連して、広告過多や悪いユーザー体験についても話題になりました。この点については以前から議論されてきましたが、サリバン氏は「基本的な方針は変わっていない」と明言しました。
Googleのページ体験ガイドラインでは、広告掲載を禁止しているわけではありません。サリバン氏は、広告を掲載しているサイトでも、検索結果で上位表示されているものが多いと指摘しています。「ユーザーが嫌がるほどページ内に多くの広告を掲載しているサイトは、検索結果上に数多くあります。」とも述べています。
とはいえ、サリバン氏はこの点について、Googleがより明確にできることがあるとも述べています。「サイトで何が起きているのかを理解するために、より多くのページエクスペリエンスに関する情報を人々に提供できるような、より良い状態になれればいいと思っています。それは重要なことですから」とサリバン氏は語りました。
(今後Googleが、ページエクスペリエンスに関してより詳細で有用な情報を提供することで、ウェブサイト運営者とユーザーの双方にとってより良い環境を作り出したいという意図と理解しています。)
またサリバン氏は「コアウェブバイタルを確認することは重要ですが、それだけがすべてではありません」と強調しています。さらに、「初めてサイトを訪れるユーザーの立場に立って、満足できる体験ができるかどうかを考えるべきです」とアドバイスしました。
そして、「良好な体験を提供できているなら、それこそがGoogleのランキングシステムが評価しようとしている要素の一つです」と語りました。
Googleは最近、RedditなどのSNSやフォーラムのコンテンツを検索結果に表示する傾向が強まっています。私は、特に健康関連の検索でこれらのコンテンツを表示することについて質問しました。
サリバン氏は次のように回答しました。「確かに、SNSコンテンツの表示量は増やしています。多くの検索クエリにおいて、SNSコンテンツは役立つからです。完璧とは言えませんが、常に改善を続けています。特に健康問題で悩む人々が、同じ経験をした人々の声を聞けることは非常に有益です。」
サリバン氏は、さらに個人的な経験も交えて説明を続けました。「SNSコンテンツが役に立たないと一概に言うのは間違いです。私自身、日常的にその有用性を実感しています。例えば、家の修理方法を調べていて、あるプラットフォームにたどり着きました。Redditに限らず、小規模なプラットフォームで空調設備の修理方法を見つけたこともあります。まさに求めていた情報がそこにあり、とても助かりました。」
Googleは、今後も有用なコンテンツを表示し続ける方針ですが、サリバン氏は「完璧ではないものの、多くの場合で役立っています」と述べています。特に「健康問題に直面している人々が、同じ経験をした人々の声を聞けることは非常に有益です」と強調しました。
一方で、Redditがオリジナルコンテンツよりも上位に表示される場合については、サリバン氏も「それは別の問題です」と認めています。そのような場合、Googleはオリジナルのコンテンツを優先的に表示するよう、より注意を払う必要があると述べました。
ただし、これらのケースは人々の検索行動にも起因していると指摘しています。「通常、人々は記事の正確な見出しで検索するわけではありません。見出しそのもので検索する場合、一般的な検索パターンとは異なります」と説明しました。
では、なぜGoogleが元の情報源よりもRedditを上位に表示することがあるのでしょうか。サリバン氏は「特定の見出しで検索した場合、それらの単語が全て含まれているコンテンツを優先的に探します。また、情報の新しさなども影響する可能性があります」と解説しています。
Googleの検索結果に「隠れた宝石(Hidden Gems)」を表示させるアルゴリズムの取り組みについて、多くの混乱が生じています。
サリバン氏は「当初はソーシャルコンテンツに重点を置いていましたが、今後のアップデートでは他の形の隠れた宝石も評価していきたいと考えています。」と説明しました。
彼は具体例を挙げながら、「フィードバックで目にしたサイトの中に、映画やドラマに登場するアイテムを探すのに役立つものがありました。これは非常に興味深い発見でした」と述べています。さらに、「このような本物の人間の声を反映したコンテンツを、より適切に評価し、今後さらに取り上げる方法を模索しています」と付け加えました。
インタビューが進む中で、私は他の検索ポリシーやアルゴリズムについても掘り下げました。その一つが、いわゆる「パラサイトSEO」とも呼ばれる、サイト評判のスパムポリシーの現状についてです。
サリバン氏によれば、今年初めにGoogleがこのポリシーを手動で施行し始め、現在も変わっていないとのことです。今後もアルゴリズムや自動化による施行は予定されていないそうです。
「アルゴリズムによる対応は現在行っておらず、近い将来に導入する予定もありません」とサリバン氏は明言しました。もし将来的にアルゴリズムによる対応を行うことになれば、その際にはGoogleから発表があるとのことです。
なぜアルゴリズム化されていないのか。サリバン氏は「極めて慎重に、十分な検討を重ねながら進める必要があるからです。そのためには時間がかかるので、当面は手動での対応が適切だと考えています」と説明しています。
次に、AIコンテンツについて質問したところ、サリバン氏は「問題はAIによって作成されたかどうかではなく、スケールコンテンツポリシーに関わることです」と回答しました。
彼によれば、コミュニティの多くが誤ったメッセージに注目してしまったようです。つまり、AIで書かれたコンテンツが一部で許容されることに目が行ってしまい、本来注目すべき「コンテンツが検索エンジンのためではなく、ユーザーのために作られているか」という点を見逃してしまったのです。「スケールコンテンツの濫用に関する我々の発表を、もう一度注意深く読み直すべきです」とサリバン氏は語っています。
「多くの人が発表の前半部分だけに注目し、後半を無視してしまいました」とサリバン氏は指摘しています。前半で「コンテンツの作成方法ではなく、その有用性に注目している」と述べたことが、「GoogleはAIコンテンツを気にしない」という誤解を招いており「そのような解釈は間違いです」とサリバン氏は強く語っていました。
「本当に重要なのは、コンテンツが役立つかどうかです。」
AIによる生成かどうかは問題ではなく、「検索結果で上位表示を狙って、大量のコンテンツを機械的に作成しているかどうかが問題なのです」と彼は説明しました。「問題は、それが大規模に行われているかどうか、そして主にランキング目的で行われているかどうかです」とサリバン氏は述べています。
次に、司法省の裁判で明らかになった「Navboost」というデリケートな話題に触れました。私たちの報道で、ナヤック氏が「Navboostは、Googleにとって重要なシグナルの一つ」であると述べました。この「コアシステム」はウェブ検索結果に焦点を当てたもので、Googleのランキングシステムガイドには記載されていません。また、メモリシステムとも呼ばれているようです。
Navboostがコアシステムの一部かどうか尋ねたところ、サリバン氏は具体的な回答を避け、「コアアップデートではさまざまなランキングシグナルが使用されていますが、その詳細には触れることができません。コアアップデートには様々なシステムが含まれることがあり、それらは我々のランキングシステムの中核を成すものです」と留めています。
また、Googleが2009年から匿名のクリックデータを使用していることを述べ、これは新しい取り組みではないとも付け加えました。「結局のところ、私たちはさまざまなシグナルを理解し、組み合わせて使用しています。匿名化されたユーザーインタラクションもその1つとなるでしょう」と説明しました。
最後に、レビューシステムがコアアップデートに組み込まれたかを尋ねました。サリバン氏によれば、2023年11月のレビューアップデート以降、変更は行われていないとのことです。
このアップデートは定期的に実施されており、2024年8月のコアシステムには含まれていなかったそうです。
「私の理解では、現在も別システムとして運用されており、定期的かつ頻繁に実行されています」とサリバン氏は説明しました。
サリバン氏がLinkedInにこの件に関する要約を投稿しました。その内容は以下の通りです。
今週、私はバリー・シュワルツと、クリエイターに関する最新の検索アップデートについて話をしました。インタビューの全容を記事に反映することはできませんでしたが(インタビューが長時間に及んだため)、ランキング回復を望んでいるクリエイター向けに重要な点をまとめてお伝えしたいと思います。
①先月のブログ記事でも触れましたが、「役立つオリジナルコンテンツを作成している小規模サイトや個人サイトを含む、質の高いサイトとユーザーをつなげる」取り組みは、今回のアップデートで完結したわけではありません。この分野は引き続き注視し、今後のアップデートでさらなる改善を図っていきます。
②SNSでも何度か述べましたが、読者のために素晴らしいコンテンツを作り続けることが、理想的な指針です。私たちのシステムは、そういったコンテンツを評価しようと努めているため、その点を念頭に置いて、これまで通り取り組んでください。私たちも引き続きシステムの改善に取り組み、より適切な評価ができるよう努めます。
③特定の検索クエリで上位表示されている場合、私たちがあなたのコンテンツを高く評価していることを意味します。さらに1、2順位上げる方法を考える人もいますが、ランキングは自然に変動することもあります。急激な変更は推奨しません。
インタビューでは、2024年3月のアップデート後に実施したフィードバックフォームについても触れました。建設的で有意義なフィードバックをお寄せいただいた皆様に感謝申し上げます。すべて手作業で確認し、提出されたサイトを参考にさせていただきました。
皆様のご意見はしっかりと我々に届いており、これからも耳を傾けていきます。私はすべてのフィードバックを要約し、特にオープン ウェブ クリエイターへ向け、当社のシステムが改善できる点について有益な例を数点挙げました。当社の検索エンジニアは、頂戴したフィードバックとともに、クリエイターを含むすべての人にとって検索を改善する方法を検討しています。
ちなみに、フィードバックを提出したからといって、提出者のサイト順位が回復するわけではありません。提出したサイトの中には、順位が上がったものもあれば、上がらなかったものもあります。
頂戴したフィードバックは、確実に我々の改善作業を助けてくれました。また、今後も頂戴するフィードバックを改善作業の参考とするため、クリエイターの皆さんの助けにもなるでしょう。
ダニー・サリバン氏は「Googleのコアアップデートのフィードバックが、どのようにコンテンツ制作者の洞察理解につながったのか」という記事も投稿しています。その中で、フィードバックフォームについて次のように述べています。
「生産的なフィードバックを提供してくれた人々に感謝しており、その中でも特に、特定のクリエイターの世界について、より深い洞察を得ることができました。
1,300のユニークなドメインの中には、独立した小規模なサイトのクリエイターだけでなく、大規模なサイトも含まれていました。また、コンテンツマーケティングを行っている人たちもいました。
頭に浮かんだ1つの例は、あまりうまくいっていない地元の配管業者のサイトです。そのサイトは、一般的な配管のトピックに関する内容で、いわゆる『シンクの修理方法』のような一般的なコンテンツを多く作成し、トラフィックを得ていました。
これは検索者にとっては役立つ情報として良かったかも知れませんが。おそらくその配管業者が得ていたトラフィックは、実際にリードに結びついていなかった可能性が高いです。これがまさにコンテンツマーケティングの問題点です。
このようなケースでは、コンテンツマーケティングの努力が実っていないと心配しているかもしれませんが、実際にはクリエイターがオリジナルコンテンツを作成しているわけではありません。
もし仮に、その配管業者が『世界の配管業者』のようになり、そのブログで情熱的に情報を共有していたなら、私たちのランキングシステムでより良い結果を得られるでしょう。
もう1つの例を紹介します。1,300のドメインには、独立系サイトばかりではなく、優れていないサイトも多く含まれていました。スパムも確かに存在していましたし、提出されたフィードバックの中には、『これはランクインすべきではない』と誰もが思うようなサイトもありました。
その中で、ある人が期限切れのドメインを使用して、ある企業のログインページで上位にランクインしようとしていました。そして、その人が『この企業のログインページでランクインしようとしているが、うまくいかない』とフィードバックを提出してきたのです。
それに対しては「うまくいっていないのは当然です。あなたはそのページでランクインすべきではなく、回復することもないでしょう。」と回答しました。
ただし、私たちは真摯にコンテンツを作成しているクリエイターたちの存在や、彼らの良質なコンテンツが期待通りのパフォーマンスを発揮できていないという懸念を決して軽視しているわけではありません。むしろ、このフィードバックを通じて、SEOとは無関係に、ただ良いコンテンツを作りたいと考えているクリエイターの存在を、よりよく理解することができたのです。
例に挙げたクリエイターは、SEOに関心がなく、ただ素晴らしいコンテンツを作りたいだけだったのです。そして私たちは、そういった人々たちに報いたいと思っており、正しく評価したいと思っています。
もちろん、優れたSEO対策を否定するわけではありませんが、私たちが取り組むべき領域は幅広く、今回のフィードバックはその理解を深めるのに非常に役立ちました。
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。