過去1年、英語圏で最も急成長した新興ソーシャルメディアといえばピンタレストです。とはこの数か月の間にピンタレストの成長が鈍化しつつある、、、というニュースを小耳にはさんだ方も多いでしょうか。Twitterの時も同じような話があった気がしますが、さてPinterestの場合はいかにということでカリスマ・マーケッターのミッチ・ジョエルが考察します。 — SEO Japan
あなたがこれを読む頃には、Pinterestは絶望的かもしれない。
あなたはこの言葉の中にある皮肉に気が付いただろうか?二日前の夜、テネシー州ノックスビルで開催されたSocial Slamで、私は、Pinterestが最もホットなこと…つまり最後の最もホットなこと(百歩譲って、Instagramと呼ぼう)なのかどうか聞かれ、その後(24時間は経っていないが)、家に帰る飛行機の中でUSA Todayを読んでいると、Moneyセクションのトップの見出しが“Pinterestの成長曲線は横ばい状態”なのである。そうなの?私たちはもうPinterestへの恋が冷めてしまったのか?この新聞の記事によると:“2つのマーケットリサーチ企業によると、…(中略)一夜でスターになったアプリの一時的な成長は弱まった。この画像ブックマークサイトとソーシャルネットワークは、1月の1170万人、2月の1780万人に比べて、3月には1870万人のユニークビジターをアメリカ国内で獲得した、とcomScoreは言っている。”
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記事はこう続ける:“この数字はユーザー成長の減速とデザイン変更のマイナスの影響とGoogle TrendsにおけるBuzzレベルの減少を示している、とIDCアナリストのKarsten Weideは言う。” もしあなたがこの話を前にも聞いたなら教えてくれ…Pinterestは2歳で、およそ10億ドルの評価額を持つ―そう、私にはもう1つのInstagramのように感じるのだ。もっと衝撃的なニュースは(10億ドルのニュースが衝撃的ではないということではない)、先月、PinterestがLinkedIn を抜いてアメリカで最も人気のあるソーシャルネットワークになったことだ(FacebookとTwitterに次いで)。それはすごい速さなのでは?
まず、1800万、1700万、もしくは1100万人のユニークビジターは馬鹿にする数字ではない。でも、なぜこれが成功を定義するために使用される第一の測定基準なのか?成功とチャンスを測定するのにとても古い測定基準を使用しているようには感じないだろうか?私は、Pinterestにどれくらいのユニークビジターがいるかにはあまり興味はなく、経済的価値を促進するPinterestの能力に興味がある。たぶんPinterestのユニークビジターは1800万から1000万に落ちたかもしれないが、それと同時に、それらの1000万人はもっと多く引用し、もっと多く共有し、もっと高い率で実際のコンバージョンを押し上げたのだ。世界の皆さん、私たちはもはやウェブページの訪問者数をトラックする必要はないのです。私たちは、もう少し深く掘り下げて、Pinterestへのトラフィックがどこから来て、どこへ行き、それがどれくらい価値のあることなのかを見ることができる。
私たちはまだ人口調査のようにウェブ分析をしており、ページビューは成功の測定基準である。そもそもそれが測定基準であるべき唯一の理由は、多くのウェブサイトがバナー広告を掲載することから来る収益の観点を元にしているからだ。それはPinterestというチャンネルの持つ本来の価値ではなく、チャンスはそれよりももっと大きい。Pinterestは、物事を人々に紹介するのに役立つサイトだ。これは、とても強力なチャンネルである。なぜなら、それは人々によってキュレートされるメディアだからだ。つまり、誰かがPinterestで私をフォローする時、彼らは私への(個人的な)興味を表わしているだけでなく、私が好きな物事への興味も表わしているのだ。これをアートに当てはめて、Pinterestがアートディーラーに真の経済的価値を追加するためにできることを想像してみよう。アートディーラーは特定のアーティストやジャンルに関するボードを作って、売るための興味深い新しいアートを定期的に投稿することができる。フォロワーからのフィードバックが、何がクライアント(と彼らがそれを共有する相手)の心を捕えているのかの感触をこのディーラーに与える。もしもPinterestの成功を単に人数やページ数を見るだけで測定するつもりなら、私たちはこの新しいメディアチャンネルが本当のビジネスを育てるためにできることについて最もエキサイティングな部分を見逃すことになるかもしれない。
Pinterestを単なるオンライン新聞やメディア資産のように扱わないようにしよう。それをビジネスチャンスのように扱おう。(はっきり言って、私はここでPinterestのことだけについて言っているのではない。それは数えきれないほどの他のオンラインスペースにも言えることだ。)重要な測定基準が、テレビ番組の視聴者や新聞紙の読者を測定するために使用するのと同じものだけなら、私たちはあまりにも後退している。1000万人というのもかなりの人数だ。現実を甘く見ないことだ。1000万人のビジターを毎月獲得している他のビジネスをあなたはいくつ知っているだろうか?インターネットについて話すたびに、その数字は大きくなって私たちは判断力を失う。Pinterestは、それがどんな種類の実現可能なビジネスに変わることができるのかを見るための素晴らしい機会(と課題)を持っている。もし単純なユーザーベースの広告収入に頼って進んでいくのなら、彼らは自分たちのブランド(とそのオンラインチャンネル)をあまりにも軽視しているかもしれない。
筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。
この記事は、Six Pixels of Separationに掲載された「The Panic Over Pinterest」を翻訳した内容です。
ユーザー数も大事ではあるが、数の増減に振り回れてはいけない。それ以上にピンタレストの本質が「紹介ツール」であること注目すべきであり、ピンタレスト自身も我々もそれを活用すべきである、という内容でした。確かに他のSNSと比較すると、ユーザー同士のコミュニケーション以上に、あるユーザーが他者に何かを紹介することが中心のサービスですよね。その紹介の過程をピンタレストがマーケティング商品化することができれば、また他のビジネスがマーケティングプランの中にうまく組み込んでいければ、皆がwin-winのシナリオを築き上げられるかもしれません。
Instagramと何かと比較されることも多いピンタレスト、今後の展開と可能性に引き続き注目したいです。興味がある方はピンタレストのマーケティング活用についての記事も是非。 — SEO Japan [G+]
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