ある朝目覚めると、ElJuanPaZuritaと言う人物をフォローするべきだと要求する大量のツイートが寄せられていた。なかなか刺激的な目覚めであった。
1本目のツイートまで遡ると、フアン・パブロ・ズリタと言う名の若者が、私にフォローを要請していた。チャットをしたかったようだ。その後の大量のツイートは、この人物を助けようとする「ファン」から送られたものであった。そう、この若者にはファンがついている。
この18歳のメキシコ人は、約100万名のファンを持つだけでなく、マネージャーもいる。一夜にして世界的に有名になり、6秒間の楽しい動画を毎日作る「Viner」として、優雅な生活を送っている。あまりにも知名度が高く、ニューヨークの路上でサインを求められるほどだ。
フアン・パブロ・ズリタは、今後のインターネットの展開に関して幾つか私に尋ねてみたい質問があると言っていた。そこで、Skypeのチャットに招待することにした。今回のチャットを通して、この若者が才能豊かで、地に足をつけていることは勿論、楽しいVine動画を作るだけでなく、最も多くのことをこの世界で達成したいと望む、素晴らしい人物だと言うことが分かった。そこで、読者の方々に、この若者のことを知ってもらいたくなった。
それでは、ティーンの憧れであり、創造力豊かな天才であり、そして、世界最高のVinerの一人に挙げられるフアン・パブロ・ズリタへのインタビューを以下に掲載する。
私: ズリタさんの仕事は決して楽な仕事ではありませんね。6秒間で視聴者を楽しませ続ける、その強烈な創造力に驚かされました。どうすれば、次から次へと新しいアイデアが浮かんでくるのですか?
フアン・パブロ・ズリタ: 実は意外と簡単なのです — 毎日、大勢の方が経験するようなことを私も経験しています。日常生活の面白い偶然を取り上げ、さらに面白くしているだけなのです。時々アイデアが枯渇することもありますが、しばらくすると新しいアイデアが必ず浮かんできます。
しかし、毎回「実際の出来事」を取り上げているわけではありません。ジョークを盛り込んだ「ミニ」ムービーを作るこもあれば、実在しないシナリオを考案することもあります。また、現在起きている出来事やニュースを笑いのネタにすることもあります — その場合は、いつも経緯を払っています。
私: 時折、ストップモーション等の特殊効果を用いて、一風変わったシナリオを創り出していますね。平均すると、1本の動画を編集し、製作するまでに1日どれぐらいの時間を費やしているのでしょうか?
1分前後で考えられる作品もありますが、大抵の作品は、撮影に10分 – 30分、編集にそれ以上の時間を割いています。別の場所に行かなければならない、あるいは、衣装を変えなければならない場合、6秒間の動画を作るために、数時間を要することもあります。
Vineを作るようになったきっかけを教えて下さい。何が、コンテンツに勢いを与え、大勢のファンを魅了しているのでしょうか?
まず、英語でVineを始めました。なぜなら、Vineへの関心はメキシコでは高いとは思えなかったからです。しかし、フォロワーが1500名に達成したことを受け、メキシコ国内にもVineに関心を持っている方が大勢いることに気づきました。そこで、ほぼ同じ人数のフォロワーを抱える他のメキシコ人のVinerに声をかけ、スペイン語でのVineの撮影、そして、コラボレーションを始めたのです。お互い助け合い、学び合い、フォロワーを一緒に増やしていきました。
現在、ファンは約100万名に達していますが、なぜここまで増えたのか私には分かりません。一夜にしてファンが爆発的に増えたような気がします。
初めて、サインを求められた時、私は3000名のフォロワーを抱えていました。
私と同じように、フォロワーの方もVineにつながりを感じているのではないでしょうか。同じような経験をして、そこから絆が生まれます。また、動画は自然で、本質的で、反復的です — オーディエンスの方々は、Vineの動画をとても好きになり、褒めてくれます。常識では考えらないことが起きている気がします。このVine現象そのもの、そして、この現象が起きた経緯については、いまだに謎です。それでも、私の人生を変えたことだけは間違いありません。ファンのおかげで、メキシコ国内で多くの重要なことを成し遂げました。とても満足しています。
たった数ヶ月の間に、インターネットのスターになりましたが、日常生活にどのような影響を与えているのでしょうか?
YouTubeでも、Twitterでも、Instagramでもない、Vineならではのインパクトが存在します。大きな爆発が起きたような衝撃です。
私の生活は幾つかの面で大きく変わりました。 路上で気づかれることが多くなり、写真を求められるようになりました。最初は「Vineの人」だと言われていましたが、その後、まるで好きなアーティストに声をかけるように「フアンパ・ズリタさんですよね」と声を掛けてもらえるようになったのです。
続いて、テレビ番組の出演依頼を受け、メキシコの様々な州で会合やカンファレンスに招待されました — 本当に信じられませんよ。
当然、Vineだけでなく、Twitter、Instagram、そして、Facebookでも収入を得られるようになりました。Vineのファンが増えるにつれ、その他のソーシャルネットワークも規模が大きくなっていったためです。つまり、当初、Vineは趣味以外の何でもありませんでしたが、義務になり、そして、仕事のように扱うようになっていったのです。
しかし、自分自身を決して忘れてはいけません。私はユーモアのセンスが多少ある若造でしかないのです。その点を肝に銘じています。多くの有名なVinerは、有名人になったと勘違いし、謙虚な姿勢を忘れ、変わってしまいました。私は常に本当の自分を忘れないよううに気をつけています。
Vinerとして、どうやって収入を得ているのですか?どのようなスポンサーを持っているのですか?また、スポンサーはどのようにズリタさんを見つけているのでしょうか?
Vineで確かに収入を得ていますが、オーディエンスのおかげで、Twitter、Instagram、そして、Snapchatでもスポンサーがつきました。また、カンファレンスの講演料と番組の出演料ももらっています。
企業から連絡があり、一定の量のVine/記事/ツイートを求められ、金額に応じて、引き受けるか断るかを判断しています。数日間かけて交渉し、私が望む料金に納得してもらうこともありますが、単純に断りを入れるケースもあります。
また、私にはマネージャーがいて、多くの企業と連絡を取り合い、幾つか契約を持ち掛けてくれます。報酬の20%をマネージャーに支払う契約になっており、全ての対応を任せています。しかし、最終的にはキャンペーンを引き受けるかどうかの決断は私が下しています。
複数のソーシャルネットワークで、様々な規模の企業の仕事を引き受けてきました。Motorolaには写真、The Fault in our Stars等の映画にはツイートを、そして、Coca Cola、Axe、Bubaloo等の企業にVineを提供しました。メキシコで最大の携帯電話会社のTelcelには、TwitterとVineで貢献しました。
Vinerとしてのキャリアをどれぐらい維持することが出来ると思いますか?どんな方向に進むつもりなのでしょうか?これから何をする予定でしょうか?
Vineの将来は安定していると私は確信しています。事実、黄金期が到来し、ユーザーも順調に増加しています。
その一方で、現在、Snapchatのストーリーの作成に私は取り掛かっています — 新しく、Vineとは全く異なる取り組みです。Snapchatでは、フォロワーとのつながりは大きく、個人の日常生活が反映される鏡のような存在です。Snapchatは今後の数年間で重要度を増していくのではないかと私は考えています。
もちろん、YouTubeにもチャンスは転がっています。私自身はソーシャルネットワークだとは思っていませんが、メジャーなエンターテイメントであることは間違いありません。大きなポテンシャルを秘めています。今後、YouTubeのコンテンツの製作に精一杯取り組むつもりです。 一貫性、そして、全てのソーシャルネットワークで誠意ある対応をすることが重要だと思います。
キャリアの持続に関してですが、インターネットで実施している取り組みをキャリアとして続けることが出来ると私は確信しています。しかし、大学で勉強するチャンスがあれば、それも一つの選択肢です。十分収入を得ているとしても、学習を継続することは大事です。インターネットを断念するのではなく、チャンスをより大きくするためです。
大学のキャリアとインターネットのキャリアを結びつければ、今後、より大きな仕事に携わり、桁違いのインパクトをオーディエンスに与えることが出来ると私は信じています。
この若者が作り出す作品を見たくてウズウズしているのではないだろうか?リクエストにお応えして、以下に、6秒間の動画で構成されたフアン・パブロ・ズリタの「名作集」を掲載しておく(職場で視聴するには適切ではない乱暴な言葉も含まれているので注意してもらいたい)。
この記事は、{grow}に掲載された「How to make a living on Vine」を翻訳した内容です。
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