本サイトでハンナ・スミスが2013年の検索を総括してから、早くも1年が経過した。しかし、なぜか分からないが、その実感は湧かない。それでも、総括を行う時期が再びやって来た。今年も色々なことが検索業界では起きたが、SEOは健在だ。しかも、今まで以上に面白味を増している。それでは、2014年を振り返り、大きな変化をまとめていこう。
目次
Googleのウェブスパムチームは、SEOコミュニティの疑わしいグループに対して宣戦布告を行い、新年をスタートさせていた。以前から拡大可能なゲスト投稿はGoogleの取り締まりの対象になっているのではないかと疑ってきたが、Googleのウェブスパム対策を統括するマット・カッツが個人で運営するブログの記事の中で、ハッキリと認めた。続いて、マット・カッツは、検知不能を売りにしていた複数のリンクネットワークを公の場で批判し、閉鎖に追いこむのであった(そもそもGoogleを表立って挑発するのは得策とは言い難い)。
これとは別に、Googleは4億ドルでAI事業を営むDeepMindを買収し、2014年の新たな方向性を示していた。
FacebookはWhatsAppを190億ドル(キャッシュ & 株式)で購入した。この出来事は世間を驚かせた。Instagramを10億ドルで買収した取引が、色褪せて見えてしまうほどの大金だ。マーケティングを全く行わない状態で急激にユーザーを増やしたWhatsAppの実力がこの金額に反映されていると言える。この買収から10ヶ月が経過するが、何も手を加えず、今までの方向性を維持すると言うFacebookの約束は守られている。ただし、この取引の数日後にWhatsAppはクラッシュしていた 🙂
その他にも、2月にはダン・バーカーが投稿したこのツイートが注目を集めていた。その理由は読んでもらえれば分かるはずだ 🙂
マット・カッツ
Googleでスクレイパーのサイトがオリジナルのコンテンツのソースよりも上位にランクインしているなら、Googleに連絡を下さい。
ダン・バーカー
見つけました。コンテンツのテキストがそっくりです。
SEOサービスを提供するドック・シェルダンがGoogleによるペナルティーを受けた。個人のサイトで配信したゲスト投稿の最後に掲載されていた1本のリンクが原因だと見られている。当該の記事は確実にゲストによる投稿であったが、ペナルティーを課すほどのスパム行為と見なされたとは考えにくい。
次にゲストブロガーのコミュニティサイト、MyBlogGuestにペナルティーが与えられたことが明らかになった。Googleは2014年の年明けにマット・カッツが行った脅しと警告を着実に実行に移しているようだ。
Facebookはモバイルデバイスを利用する同サイトのユーザーが10億人を超えたと報告した。この傾向は2014年を通じて見られた。この件に関して、その数ヶ月後にロンドンで行われたSearchLoveでモバイルの脅威に関するプレゼンを当サイトのウィル・クリッチローが行っている。
また、4月にはヴィック・ガンドトラがGoogleを辞めたことがニュースとして報じられた。ヴィック・ガンドトラはGoogle+の開発を指揮していた人物として知られている。Google+には当初から懐疑的な見方、そして、批判的な見方があったが、ローンチから3年以上が経過した今も健在である。
5月になると大規模なパンダアップデートがリリースされた。このアップデートはパンダ 4.0と呼ばれるようになった。パンダ 4.0はペイデイローンアップデートと同時期に展開され、SEOサイトのMozを代表するライター、Dr. ピートが行った分析によると、大幅なランキングの変更があったようだ。今年はペンギンアップデートに関する話題も多かったが、ペンギンがニュースになるのはこの数ヶ月後である。
FacebookはモバイルデバイスのマイクをONにして、ステータスアップデートの供給源として利用する新しい不気味な機能を発表した。一部の専門家は、ユーザーが良く聞く音楽、そして、良く見るテレビ番組に関するデータをFacebookが集め、広告を提供する際に活用するようになるのではないかと推測していた。
さらに、5月には、EUが「忘れられる権利」をユーザーに与えた — 要するに、自分の名前を言及する特定のページを自分の名前に対する検索結果から削除するようGoogleに要請することが出来るようになったのだ。Googleは、この要請を受け入れるようになってから、24時間で1万2000通を超えるリクエストが寄せられたことを認めた。その結果、次のようなメッセージがより頻繁に表示されるようになった:
ヨーロッパのデータ保護法の下、一部の結果は削除された可能性があります。詳細はこちらをご覧下さい。
Google+のオーサーシップの利用を一生懸命クライアントに薦め、必要なマークアップを整えたものの、Googleは検索結果からオーサーの写真を削除すると宣言した。この件に対する公式の発表は、とても簡潔な内容であった。Mozのサイラス・シェパードはもう少し詳しくこの件を伝えている。
今年の4月に明らかになったトレンドは7月になっても続いていた。ShareThisによるレポートで、スマートフォンとタブレットのシェアの数が2014年の第二四半期で30%増加したことが判明した。
ローカル検索を対象とした最新のGoogleによるアップデートの名前を見た時、思わず笑ってしまった。不評だった2012年のエイプリルフールのジョークを思い出したためだ。実は真面目なアップデートだと分かって初めて詳しく調査する気になった。この記事を書いている時点で、このアップデートは米国のみで展開されており、英国ではリリースされていない。しかし、その他の国で展開されるのは時間の問題だと思う。
因みに、ちょうど同じ頃、マット・カッツが休暇を取った。
Googleは2011年からhttpsへの移行をスタートされていたが、今年の8月、httpsを採用するサイトは検索結果で優遇されると発表した。ただし、その後すぐに、大幅に優遇されるわけではないと忠告した。
また、8月には、ALS アイスバケットチャレンジがバイラル化し、チャリティーであったとしても若干煩わしくなるレベルに達した。俳優のパトリック・スチュワートが最高のアイスバケットチャレンジを行った:
これが本当のアイスバケットチャレンジだ。
因みにマット・カッツはまだ休暇を楽しんでいる。
比較的規模の大きなパンダアップデートが再び行われた。しかし、今回のアップデートでは、Google曰く、より多くのシグナルを見つけ、品質の低いコンテンツをより正確に特定することが可能になり、アルゴリズムが改善されたようだ。
同じく9月にはYahoo! ディレクトリが閉鎖され、私は少し悲しくなった。私がSEOを始めたばかりの頃、このディレクトリはスパム良質なリンクを構築する上で効果的であった。
マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。
前回確認されたアップデートから1年以上が経過した10月、Googleは待望のペンギンアップデートを行ったと告知した。しかし、Dr. ピートによる分析、そして、SEO業界の一部の専門家によるフィードバックを見る限り、期待されたほどインパクトは大きくなかったようだ。
その後、このアップデートは徐々に展開されていくことが明らかになった。アップデート導入時のインパクトが思ったよりも小さかったのは、このためだと推測される。
マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。
Firefoxがデフォルトの検索エンジンをGoogleからYahoo!に変更したと発表した。対象はアメリカのみだが、この変更は元Googleの従業員、マリッサ・メイヤー率いるYahoo!にとって大きな勝利だと言える。
また、感謝祭の休日の前後にランキングの変動に関するニュースが出回っていた。これは、10月に行われたペンギンアップデートのドミノ効果であることが分かった。一部の専門家はペンギンは継続的なアップデートに移行しているのではないかと推測し、この推測は12月に入って 確認されることとなった。
マット・カッツは休暇中。
スペインで新たな法案が可決され、検索結果に、たとえ一部であったとしても新聞の記事を表示する場合、検索エンジンは料金を支払わなければならなくなった。Googleはこの法律に従うことを拒んでいるため、Google ニュースはスペインから姿を消す。
また12月、Googleが、モバイルフレンドリーなウェブサイトを優遇するため、新たなステップを踏むことが明らかになった — 国内外の検索結果に「スマホ対応」が表示されるようになる:
モバイルに力を入れ、同じことをするウェブサイトを優遇するトレンドは1年を通じて続いたことになる。
今回の総括を楽しんでもらえたら他に何も言うことはない。ただし、万が一、メジャーなトレンドを見逃していたら、コメント欄で気軽に指摘してもらいたい。
この記事は、Distilledに掲載された「The Year in Search | A Round Up of 2014」を翻訳した内容です。
改めて去年の動向を振り返られる、大変わかりやすいまとめ記事でした。一読して今年につなげたい。 — SEO Japan
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