Webサイトの運営において、検索ボリュームは決して無視できない指標のひとつです。自社サイトに適したキーワードを狙ったコンテンツを制作し流入を増やすためには、大きさの異なる検索ボリュームのキーワードを活用し、サイトを構成することが重要です。
今回は、検索ボリュームの調べ方とSEOへの影響、サイト運営におけるフェーズ別検索ボリュームの活用法をご紹介します。
参考:SEOはキーワード選定が超重要!選定方法やキーワードの入れ方を紹介
検索ボリュームとは、Googleの検索エンジンで対象のキーワードが1ヶ月中に検索された回数を示す数値です。月間の検索回数を表しており、検索ボリューム10,000のキーワードは、直近の1カ月中に1万回検索されたことを意味しています。
検索ボリュームはキーワードにより数回~数十万回と幅広くあります。キーワードはSEO上において検索ボリュームの大きさによって、検索ボリューム10,000以上の「ビッグキーワード」、1,000以上10,000未満の「ミドルキーワード」、1,000未満の「ロングテールキーワード」の3つのカテゴリに分類されています。
SEOはキーワード選定が超重要!選定方法やキーワードの入れ方を紹介
検索ボリュームはGoogleの検索ページ上から確認することはできません。各キーワードの検索ボリュームは以下の6ツールに代表されるキーワードツールによって調べられます。1つ1つ見ていきましょう。
Goolgeキーワードプランナーは、GoogleのサービスのひとつであるGoogle広告の管理画面内にあるツールです。対象のキーワードの検索ボリューム、関連キーワード、キーワード候補、競合性といった情報を確認できます。Googleの検索エンジンの情報をGoogleのサービス内で調べられるのが大きな強みです。
Googleサーチコンソールは、Googleが提供するWebサイト分析ツールです。登録した自社サイトへのアクセスに関する詳細な情報を確認できます。
Googleサーチコンソールで確認できるキーワードの表示回数(インプレッション)は、厳密には検索ボリュームとは異なりますが、キーワードのニーズを図る上では重要な指標となります。
ruri-coは検索キーワードのボリュームや関連ワードを調査できるWebツールです。会員登録などの手間なく使い始められるため、誰でも手軽に検索ボリュームを調査できます。
ruri-co上に登録された検索ボリュームを表示するため、厳密には検索の傾向をリアルタイムに追えるわけではありません。しかし類似率や競合サイトでのタイトルへの使用状況などを確認できるため、キーワードの状況を調べるには十分な機能を持っています。
aramakijake.jpは無料で利用できる検索数予測ツールです。シンプルなUIで対象キーワードのGoogle・Yahoo!における順位別の検索数予測を出力します。厳密には検索ボリュームの実数を調べるツールではありませんが、戦略を立てるための材料収集には有用です。
ahrefsは有料のWeb分析ツールです。世界中で60万人が導入しているといわれる人気ツールであり、検索ボリュームを調べられるほか、運用中のサイトと競合サイトの順位変動、被リンク分析が可能です。
Ubersuggestは指定のキーワードに関するさまざまな情報を取得できる分析ツールです。基本的な検索ボリュームの確認やサジェストの抽出ができるほか、検索需要の推移チェックを通じたトレンドの変化を推察できます。利用には月額費用が必要ですが、1日3回までなら無料で利用できます。
「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「ロングテールキーワード」への分類は、単に検索ボリュームの違いだけを意味しているわけではありません。検索ボリュームが違うコンテンツは、SEOにおいてそれぞれ異なる役割を担うため、検索ボリュームを意識した戦略を進める必要があります。
サイトを立ち上げて間もない時期は、検索ボリュームが小さいロングテールキーワードのコンテンツを中心に数を増やしましょう。競合がいない場所を狙いやすいロングテールキーワードのコンテンツは、将来サイトの評価を上げるための最初のきっかけになります。
ロングテールキーワードとは?上位表示させるSEO対策とメリット・デメリットを紹介
Googleから最終的に評価を受けるのはサイトのトップページですが、最初に評価されるのは個別のコンテンツページです。ロングテールキーワードのコンテンツが増えてきたら、各コンテンツの関連性を表せるように、内部リンクを通じてカテゴリページに集約させましょう。最終的なトップページの評価アップに繋がります。
個別コンテンツの評価が集まるカテゴリページの評価アップは、最終的にはトップページの評価アップに大きく貢献します。
内部リンクとは?最適化が必要な理由や設置時のポイントなどを解説
ロングテールキーワードのコンテンツが検索上位に表示される機会が増えてきたら、次はミドルキーワードを扱うコンテンツを増やしていきましょう。
また、コンテンツだけでなく、カテゴリページなどの上層ページにもミドルキーワードの掲載を増やし、上層ページの評価も狙っていくとよいでしょう。
ミドルキーワードでの上位表示が増えてきたら、いよいよビッグキーワードの狙い時です。カテゴリページとは別に、これまで作成してきたミドルキーワードやロングテールキーワードのコンテンツをまとめたまとめ記事を作り、各ページの評価をひとつのビッグキーワードを狙う記事へ集約させます。
ビッグキーワードで上位表示を狙えるようになると、サイト本体も高く評価されるようになり、他のコンテンツの上位表示数増加が期待できます。
ビッグワードと混同されやすいキーワードの違いは?上位を獲得するメリットと対策法
検索ボリュームはコンテンツ作りにおいて重視すべき指標のひとつです。検索ボリュームの分析はサイト運営に必要な多くの情報を得る手段ですが、誤った認識のまま分析してしまうと、なかなか自社サイトの評価を上げられなくなってしまうでしょう。以下の3つのポイントを確認してください。
検索ボリュームが大きなキーワードは、ほぼ例外なくすでに強い競合が複数存在しています。後発のサイトがコンテンツ単体で上位表示を狙うのは非常に難しいので、まずはロングテールキーワードのコンテンツを増やしながらサイトへの流入を増やし、サイトの評価を高めていくとよいでしょう。
検索ボリュームが大きなキーワードで上位表示されるページは、必ずしもユーザーの検索意図にあった内容であるとは限りません。ボリュームが大きなキーワードほど、ユーザーごとに異なる意図で検索する可能性があるため、コンテンツを作る側はどのニーズに合わせるのか判断しましょう。
季節や年代に関係するキーワードは、時期によって検索ボリュームが大きく変わります。過去に大きな検索ボリュームを持っていたキーワードでも、季節や流行を外してしまうと今からアクセスはとれません。いま現在ニーズがあるキーワードを拾えるよう、コンテンツを制作する側は常にアンテナを高く張っておくことが大切です。
キーワードの検索ボリュームをチェックし終わった後は、自社のコンテンツのためのキーワード選定が始まります。キーワード選定はボリュームが大きいものを選べばいいというものではありません。自社がWebサイトを通じて実現したい目標を軸に、必要なコンテンツを届けるためのキーワードを選びましょう。
まずは自社サイトを通じて「誰に何を届けるのか」という方向性を決めましょう。企業のオウンドメディアなら「自社製品のPR」「人材採用のための求職者募集」「社会貢献をアピール」といった課題のうち、そのWebサイトで実現したいテーマを選びます。ここで決めた方針に従ってサイト運営は続くため、方向性は慎重に検討しましょう。
続いて方向性に合わせたキーワードを決定します。ここで決めるメインキーワードは、最終的に狙うビッグキーワードとなります。自社が扱っている「自動車部品」「文房具」といった商品カテゴリはメインキーワードにしやすいですが、方向性にあった運用を想定できるか意識した選定が大切です。
次にキーワードツールを使ってメインキーワードに関連するキーワードを抽出します。メインキーワードに近く、カテゴリとして分類することを意識した選定が望ましいでしょう。
いきなりメインキーワードから遠いキーワードを選ぶとサイトの統一性がなくなります。まずは連想しやすいキーワードをリストアップするのがおすすめです。
関連キーワードの抽出ができたなら、それぞれの検索ボリューム数と競合度を調査します。ボリュームが大きく競合がいないキーワードはいわゆる「穴場」です。優先度を上げてコンテンツ制作を始めましょう。検索ボリュームが小さくても競合がいないキーワードも検索上位を狙いやすいため、優先度は高めです。
ビッグキーワード、ミドルキーワード、ロングテールキーワードとボリュームが大きな方から順に調査をおこなうと、穴場のキーワードを探しやすくなります。
検索ボリュームを意識したキーワード選定は、Webサイトの命運を分けるといっても過言ではないほど重要な方策です。ユーザーのニーズがどこにあるかを把握し、ペルソナにあったコンテンツを提供できれば、上位表示コンテンツの数が増えアクセス数の増加が見込めるでしょう。
注力したい検索ボリュームのキーワードは、Webサイトの成長度合いによって異なります。最初から検索ボリュームの大きなビッグキーワードを狙っても、なかなか上位表示させるのは難しいでしょう。
ロングテールキーワードから徐々に検索ボリュームが大きなキーワードに手を伸ばせるよう、検索ボリュームを活用しながら戦略的なサイト運営を心がけましょう。専門家へ相談しながらサイト運営ができれば、小さな悩みを解決しながら成果に近づけるのでおすすめです。
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