マーケッター達が、自然な検索結果および有料の検索結果が連動する仕組みに関するリサーチを精査している中、検索業界の巨人ことグーグルは、有料広告を止めるとクリック数が89%減ると結論付けた。- しかし、それだけで片づけられるような問題ではない。 ブランドがキーワードに対して自然な結果で1位を獲得していたらどうだろうか?2ページ目に自然な結果が掲載されているケースとは異なる結果が生じるのではないだろうか?
「1回目の論文をリリースした際、多くの質問が寄せられ、増加について、そして、スタッツが変わる状況についての詳細を求める声が上がった。」とこの調査でリードリサーチャーを務めたデビッド・チャン氏は述べた。
そこで、チャン氏は、自然な結果と有料の検索結果の関係の細かい点を調査する取り組みに着手し、本日、新たな結果をリリースしたのであった。
89%と言う数字は、新たな調査結果で、平均で81%の確率で自然な検索結果を伴うことなく有料広告が表示される点が明らかになっているため、納得できる。検索広告が上位のランクにおいて自然な結果と共に表示されるのは9%のみであった。自然な結果が2~4位に表示される確率は5%で、さらに低いランキング(5位以下)に表示される確率は約4%であった。
リサーチャー達はブランドの用語と一般的な用語の比率には触れていなかったが、チャン氏は、特定のケースでは、ブランドの用語と一般的な用語の比率において、ランキングは良きプロキシになると述べている。要するに、ブランドの自然な結果は、ブランドの用語の場合、より上位に表示される可能性が高いと言うことだ。
意外にも、広告主が自然な検索結果で1位に輝いているにも関わらず、広告が表示されない場合、広告で獲得したであろうクリックの50%は、自然な検索結果からのクリックで埋め合わせることが出来ていない。
「とても意外な結果であり、ある意味、大勢の人々の考えとは反対の結果だとは思うが、データが何よりの証拠である。」とチャン氏は指摘している。
この調査では、広告クリックの82%は、自然な結果が2位から4位の場合に増加し、ブランドの自然な結果が5位または5位以下の場合、クリックの96%が増加することも判明している。
チャン氏は、広告主、そして、用語によって大きく異なる点を指摘し、広告主にも実験を薦めていた。また、この調査はクリック数のみを取り上げており、コンバージョンは対象外であるため、クリック数の増加がどの程度コンバージョンに結びついているのかは明確ではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Research: Even With A #1 Organic Ranking, Paid Ads Provide 50% Incremental Clicks」を翻訳した内容です。
そのまま日本語訳にすると意味が分かりづらくなってしまうのですが、前半は元々あった「リスティング広告を止めるとクリック数が89%減る」話は、そもそも「出稿していたキーワードの80%は検索結果の1ページ目に表示されていないキーワード」ということなので、普通に納得の話ですし、SEOで足りない点はリスティングでカバーする、という話にもなると思います。
ただ後半は、仮にオーガニックの検索結果で1位であっても、リスティング広告を出稿するとクリック数をさらに50%高めることができるという、「SEOで1位ならリスティング出す意味ないじゃん」という人には驚きのデータともいえます。2-4位なら86%、5位にいたっては96%とほぼ2倍ですからね。費用対効果が合うのであれば、検索結果上位のキーワード、仮に1位であってもリスティング広告は積極出稿する価値がある、ということになります。流石に1位の場合は、リスティングを併用するとオーガニックのクリック率は下がるようですが、他にサーチほどターゲットトラフィックを増やす手段もなかなかないわけですし、予算が限られた中小企業だとしても出稿を検討する価値はありそうです。もちろんキーワードによっても変わるでしょうし、コンバージョン計測まで含めた効果測定は必要ですけどね。
なんかGoogleが発表したデータ、かつGoogleのリスティング広告を絶賛する内容になってしまいましたが、さて皆さんはどう思われるでしょうか。– SEO Japan
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