SEOに詳しいものの、全体像をつかむことに苦労しているデジタルマーケッターは多い。
そのため、ウェブサイトのSEOを一目で理解する能力は、重要であり、磨きあげていく必要がある。大変だと思うかもしれないが、実は、10分もあれば全体像を把握することが可能である。しかも、高価なツールを利用する必要もない。
今回紹介するステップを参考にして、ウェブサイトの健康をチェックし、競合者の取り組みを確認し、SEOを改善する上で必要な作業を発見してもらいたい。
これから、大まかな概要を説明していく。今回は、具体的なSEOの分析方法を取り上げるつもりも、オフサイトSEOを詳しく検証するつもりもない。あくまでも、手っ取り早くサイトの脈を測ることが目標だ。それでは、早速、プロセスを紹介していく:
目次
ドメインオーソリティ(DA)は数字、または、得点で表され、サイトに割り当てられる。0点から100点で計測され、100点に近ければ近いほど、オーソリティは高くなる。DAのスコアが高いサイトは、検索結果で優先される。サイトのDAは、年月が経過し、SEOの取り組みが行われ、そして、信頼されているサイトからリンクが張られるにつれ、高くなっていく。DAは、サイトを評価する上で、最も重要な情報だと言っても過言ではない。
Open Site Explorerにアクセスして、サイトのURLを入力し、「search」をクリックするだけで、ドメインオーソリティを知ることが出来る。
左上の数字に注目しよう。この数値が、サイトのドメインオーソリティとなる。
サイトが、DAのパフォーマンスを把握することが出来るように、表を作っておいた。
DA | 評価 |
1-10 | 弱い — サイトは生まれてから日が浅く、強さに欠ける。まだまだ成長させていく必要がある。 |
11-20 | 及第点 — 良好なレベルには達していないものの、改善を続けている。さらに成長させていこう。 |
21-30 | 割と良い — SEOを行っている兆候は見られるものの、改善する余地はまだまだある。 |
31-40 | 良い — 大半のスタートアップは、31-40に属する。決して悪い数値ではなく、もうすぐ軌道に乗れそうだ。 |
41-50 | とても良い — 調子が上がってきた。高く評価されており、多くの良質なショッピングサイトが、このカテゴリーに該当する。 |
51-60 | 素晴らしい — DAのスコアが後半に達し、軌道に乗った状態だ。良い位置につけていると言えるだろう。 |
61-70 | とても素晴らしい — このレベルのDAは、知名度が高く、多くのリンクを獲得し、当該の分野で大きな権威を持つ優れたサイトを表す。多くの.eduサイトは、このカテゴリーに該当する。 |
71-80 | 優秀 — SERPで上位にランク付けされ、当該の分野で大きな影響力を持つ。ちなみにQuick Sproutは73を獲得している。 |
81-90 | とても優秀 — 一流のサイト。目的を達成したと言える。 |
91-100 | 並外れて優秀 — Wikipedia、Facebook、New York Times等、お馴染みのサイトが、このレベルのDAを獲得している。恐らく、このレベルに達することは出来ないだろう。ここまで辿り着けるサイトは、ほんの一握りに過ぎない。 |
教訓: DAが低いなら、SEOを強化する必要がある。
Googleは、短時間で読み込まれる場合のみ、サイトを上位にランク付けする。遅いサイトは、SEOが十分が行われていない。遅いかどうかを把握する方法を伝授しよう:
Pingdomにアクセスして、URLを入力し、「test now」(今すぐテストする)をクリックする。
Pingdomは、サイトのパフォーマンスと読み込み時間を分析する。次のようなレポートをすぐに得ることが出来る。
この数字自体には、あまり意味はない。数字の下のメッセージ 「Your website is faster than 95% of all tested websites」(テストした他のウェブサイトと比べて、95%早い)は、他のサイトとのスピード勝負において、有意な立場にあることを示唆している。再び、改善が必要かどうかを特定しやすいように、次の表を作っておいた。
サイトスピード | 評価 | 対策 |
0-1 秒 | 素晴らしい | そのままで良い。 |
2-3 秒 | 十分に早い | サイトのスピードは、最優先課題ではないものの、数ヶ月後にスピードの改善を行うことを薦める。 |
4 秒以上 | 遅い | スピードの速いホストに切り換える、読み込みを遅らせる要素を取り除く、画像のサイズを最適化する、CDN(Cloudflare等)を利用する、あるいは、その他のスピードを改善する取り組みを行う必要がある。 |
教訓: 遅いサイトには、SEOを改善する余地が残されている。
サイトマップを用意しているだろうか?サイトマップは、当該のサイトが、整理されており、容易にインデックスすることが可能である点をGoogleに伝える。これは、SEOにおいて、プラスに働く。
ただし、ウェブサイトのSEOのスコアを確認しているだけであり、適切なサイトマップの手順をこの段階で気にする必要はない。詳しく知りたい方は、私が作成した講義コースでサイトマップに関する詳しいhow-toガイドに目を通しておこう。
サイトマップは、あまり見た目が良くない。以下にCNN.comのサイトマップを掲載する。
サイトマップを持っていないなら、この無料プラグインを使って、(WordPressの)サイトに簡単に加えることが可能である。
教訓: サイトマップがない状態では、適切にSEOが行われているとは言えない。
良質なSEOが実施されたサイトには、robots.txtファイルが加えられている。トレーニングコースの一部で、robots.txtを詳しく説明している。ここでは、robots.txtが存在すること、そして、robots.txtがサイトの重要なエリアのインデックスを拒否していないことを確かめてもらいたい。
ブラウザーで[yourdomain]/robots.txtと入力しよう。
例:
大半のサイトはrobots.txtファイルを持っている。皆さんのサイトも持っているはずだ。中には、クローラーと砕けた会話を交わすウェブマスターもいる。
ほとんどのrobots.txtファイルは、クローラーがインデックスすることが出来ない場所の一覧で構成されている。
robots.txtが存在し、重要な部分に対するインデックスの拒否が行われていない点を確認してもらいたい。
以下にQuick Sproutのrobots.txtを掲載しておく:
教訓: robots.txtがない、もしくは、サイトの重要な場所でコンテンツのクロールを拒否しているなら、SEOの面で問題があることを示唆している。
主なメタの要素を用意している点を、次の手順に従って確認してもらいたい:
ソースコ-ドで<title> タグを探す。CTRL + Fを押し、次に<title>と入力すると簡単に見つけられる。すると、ページのタイトル(存在する場合)が表示される:
ソースコードでmeta description(meta name=”description” content=)を検索する。コードを一行ずつ読んでいくのではなく、CTRL + Fを押すと、容易に求めているアイテムが見つかる。
この2つのメタタグは、重要であり、サイトに用意しておくべきである。メタキーワードに関しては、ランキングの要素から外されたため、含める必要はない。
教訓: メタタグは、SEOにとって重要であり、サイトに用意しておく必要がある。
正しいメタコンテンツに加え、ヘッダータグ(H タグ)もまた、欠かせないアイテムの一つに挙げられる。少なくとも、H1タグを、理想を言えば、H2タグ、H3タグ、さらには、H4タグも利用してもらいたい。
ソースコードを表示させて、Hタグを検索しよう。
CTRL +Fを使って、H1、H2、H3、H4タグをそれぞれ探すと良い。
教訓: 適切なHタグは、良質なSEOにおける、欠かせない材料である。
上位にランク付けしてもらうためには、サイトに継続的に、最新のコンテンツを投稿しなければならない。一貫してコンテンツを作成しない状態では、息の長いSEOを実現するのは、容易ではない。
ブログが見つからないなら、もう少し真剣に捜査を行おう。このGoogle 検索 — inurl: …com ブログ — を試してみよう。
CrazyEgg.comは、コンバージョンを活性化するためのランディングページであるため、ブログのリンクを用意することは、重要ではない。しかし、CrazyEgg.comが、コンテンツマーケティングを重視しているかどうか、調べてみることにした。
このクエリで検索を行った結果、CrazyEgg.comはブログを運営していることが判明した:
新しく、一貫してコンテンツが投稿されているかどうかは、ブログの健康のバロメータとなる。
実際に、Crazy Eggのブログにアクセスすると、最近の記事が投稿されていることが分かる。
さらに詳しく調べると、一貫してコンテンツが投稿されている点も明らかになった。
教訓: 健全なコンテンツマーケティングは、優れたSEOにとって欠かせない要素の一つである。
最後の評価の対象は、クエリでのパフォーマンスである。
ここでは、例として「hashtags online presence」を検索した。これは私が上位へのランクインを望んでいた実際のロングテールのフレーズである。結果を以下に掲載する:
自分、もしくは、競合者が狙っているキーワードのリストを作って、一つずつ確認していくことを薦める。
Google SERPの位置 | SEOの強さ |
1 | 最高に素晴らしい |
2 | 素晴らしい |
3-4 | 良好 |
5-10 | 普通 |
2ページ目 | まあまあ |
3ページ目 | 改善する必要あり |
教訓: 楽に評価のプロセスを行うため、上の表を使って、GoogleのSERPでのランクを基に、サイトのSEOの強さを特定しよう。
今回は、ウェブサイトのSEOの強度を把握する簡潔で簡素な方法を紹介した。全ての疑問が解決されるわけではないかもしれないが、サイトのパフォーマンスを把握する上で役に立つはずである。
このメソッドの最大のメリットは、コスト、そして、手間をかけることなく、求める情報を得られる点である。特別なツールの使い方を学ぶ必要も、購読料金を支払う必要もない。少しリサーチを行うだけで良い。何度か作業を繰り返していくと、ほぼ反射的にキーボードのショートカットを押し、検索を行い、適切なSEOの要素を確認することが出来るようになる。
にわか仕立ての方法をその他に知っているなら、是非、コメント欄で発表してもらいたい。
この記事は、Quick Sproutに掲載された「How to Score Your Website’s SEO in 10 Minutes or Less」を翻訳した内容です。
どれもシンプルながら、どのサイトでも一度は試してみたいポイントを押さえた良い記事だったと思います。普段からSEOに取り組んでいてもこういう客観的評価テストは意外と行っていなかったりするケースも多いと思いますし、定期的にこういうチェックをしてみるのもサイトのSEOの健康状態を確認するためにも良さそうですね。
もし、SEOの課題整理やWeb戦略でお困りのことがありましたら、弊社のコンサルティングサービスもお忘れなく。
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