サイト設計でSEO効果を最大化!企業担当者が知りたい基本の手順や注意点を解説

公開日:2025/12/24

最終更新日:2025/12/24

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SEOではキーワード設定やコンテンツの内容に目が行きがちですが、肝心な土台となるのが「サイト設計」です。サイト設計とは、ウェブサイトの構造を設計すること。質の高いコンテンツを作っても、ウェブサイトの構造が整理されていなければ検索エンジンに正しく評価されず、成果につながりません。

Googleはユーザーにとって使いやすく、情報を探しやすいサイトを評価します。つまり、SEOを成功させるためには「検索エンジンにもユーザーにも分かりやすいサイト設計」が欠かせないといえます。

本記事では、企業のSEO担当者向けに、サイト設計が重要な理由、基本的な手順や設計を行う上での注意点などを解説します。

サイト設計とは何?

ウェブサイトを建物に例えるなら、サイト設計とは「設計図」を作る作業です。設計図がなければ真っ当な建物が完成しないように、ウェブサイトもきちんとした設計図がないと「ページが乱立し、何がどこにあるのか分からないサイト」になってしまいます。逆に、サイト設計を適切に行えばユーザーが情報を見つけやすくなり、クローラーもコンテンツを正しく理解してくれます。その結果、検索エンジンから高く評価され、検索上位に表示されやすくなります。

サイト設計には、主に以下の要素が含まれます。

  • ターゲット設定 誰に向けたサイトかを明確にする。例えば、BtoBかBtoCかによって構造は大きく変わる
  • 目的の設定 売上増加、リード獲得、採用強化、ブランド認知向上など
  • 情報設計 どのようなカテゴリに分け、どのように関連付けるかを決める
  • 運営管理 更新やリニューアルを前提に、無理のない設計にする

サイト設計費とは?いくらお金がかかる?

サイト設計費の目安は、ランディングページが6万円~20万円程度、コーポレートサイトが30万円~100万円程度、ECサイトが70万円~300万円程度です。制作するページ数や搭載する機能によっても変動します。

サイト設計がSEOに重要である3つの理由

さて、ここではサイト設計の重要性について3つの側面から見ていきましょう。

ユーザーに届きやすいサイトを作れる

目的を定めてサイト設計をすることで、コンテンツ内容が一貫性を保てるようになり、ユーザーに届きやすくなります。逆に、目的を明確にせずにページを積み重ねると、情報が散らばり「結局このサイトは何を提供しているのか?」が分からなくなります。

例えば、採用強化を目的にしたサイトなら「募集要項」「社員インタビュー」「会社の魅力」などを軸に構造を組み立てる必要があります。一方、リード獲得を狙うBtoB企業なら「製品紹介」「導入事例」「ホワイトペーパー」などを中心に設計するべきでしょう。

クローラビリティを高めSEO効果を上げられる

Googleのクローラーは、ウェブサイト内のリンクをたどってサイトを巡回します。サイト設計が適切でない場合、重要なページが深い階層に埋もれてクロールされにくくなったり、サイトマップが不十分でクロール効率が低下したりします。

逆に、サイト設計時に階層やリンク構造を整理しておけばGoogleが回遊しやすくなります。その結果、評価が高まりやすくなり、上位表示が期待できます。

ユーザービリティとCVの向上が期待できる

ユーザーが迷子にならないサイト設計は、売り上げや問い合わせの数を伸ばすことにつながります。ユーザーが目的のコンテンツにスムーズにたどり着ける設計が理想です。

例えば、ECサイトでカテゴリ設計が雑だと「商品にたどり着けない→離脱」という事態が発生してしまうでしょう。逆に、カテゴリ分類が分かりやすく整理されていれば、サイトの回遊率が上がり、売り上げの上昇も期待できます。

サイト設計の基本的な手順

それでは、サイト設計の手順について具体的に見ていきましょう。

STEP1:サイトの目的・目標を明確にする

最初に「このサイトは何のために作るのか」を明確にします。

例えば、資料請求や問い合わせを増やすことがゴールなら、トップページから資料ダウンロードページや問い合わせフォームへの導線を強化する必要があります。また、採用の強化が目的なら、会社紹介や社員インタビューといったコンテンツを目立たせ、応募フォームへの導線を自然に配置することが重要です。

 業態によっても目的は異なってきます。例えば、不動産賃貸サイトであれば、エリアや沿線など物件検索の入り口を複数設けて、さまざまな条件から物件を見つけられるようにすることが大切です。ECサイトであれば、ジャンルごとの商品紹介ページ、買い物かごやご利用ガイドなど、来訪者が商品を発見しやすく、ストレスなく安心して買い物できるしくみづくりが求められます。

さらに「問い合わせ数を前年比150%に」「求人応募を毎月30件以上に」といった具体的な数値目標をKGIとして、アクセス数やCVR、滞在時間などの目標をKPIとして目標設定しておきましょう。

STEP2:キーワード調査とトピック設計を行う

次に、キーワード調査を行います。これはサイト全体の「骨格」を作る上で欠かせないプロセスです。ユーザーの検索意図や競合他社が獲得しているキーワードを調査し、自社で狙っていきたいキーワードを決定します。

例えば、「SEO」というキーワードが決まったら、上位に配置するピラーページで包括的に解説し、その下に「SEO内部対策」「SEO外部対策」「SEOツール比較」といったクラスターページを設け、内部リンクでつないでいきます。これをトピック設計といいます。

例として「海外旅行」をキーワードとして見ていきましょう。

Googleサジェストで検索すると、「ランキング」「おすすめの国」「持ち物」「安い国」「スマホ」「ひとり」「費用」などがサジェストワードとして出てきます。さらに、それぞれの軸を深掘りしていきましょう。「海外旅行 スマホ」で見ていくと「スリ対策」「SIM」「設定」「レンタル」「WiFi」などに枝分かれしていきます。

このように、関連キーワードを整理してグルーピングすることで、検索エンジンから「包括的な情報を提供するサイト」と認識されやすくなります。その結果、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点からもプラスに働くようになります。単にキーワードを並べるのではなく、「ユーザーが知りたいことを体系的に提示する構造」にするのがポイントです。

STEP3:サイトマップを作成する

STEP2のトピック設計を基にして、サイトマップを作成します。サイトマップとは、サイトのページ構造をツリー状に可視化したものです。例えば「トップページ→サービス紹介→導入事例」といった流れを図示することで、サイト全体の階層構造を誰でも直感的に理解できます。

原則として、トップページより下の階層は3階層以内に収めるのが理想です。階層が深過ぎるとユーザーは目的の情報にたどり着けず、検索エンジンのクローラーの効率も落ちてしまいます。URLもなるべく短くシンプルに設定することで、管理しやすくなります。

サイトマップ作成時には、検索上位に挙がっている競合サイトも参考にしましょう。競合サイトがどのようなカテゴリ分けをして、コンテンツを紐付けているのかチェックします。競合に負けないような網羅性や利便性のあるサイト構造ができれば、高評価を得られる可能性が高まります。

STEP4:ワイヤーフレームを作成する

サイトマップで構造を決めたら、次は各ページのワイヤーフレームを作成します。ワイヤーフレームとは、画像やテキスト、ボタンなどの要素をどこに配置するか示したレイアウト図です。

例えば、サービスページなら「上部にサービス概要→中段に特徴や導入メリット→下部にCTA(資料請求や問い合わせボタン)」といった流れを具体的に描くことで、ユーザーが自然にコンバージョンへ進む導線ができあがります。UXを意識し、視線の流れや操作のしやすさをじっくり吟味しましょう。

STEP5:デザインコンセプトを決める

最後に、サイト全体のデザインコンセプトを定めます。これは単に「見た目を整える」作業ではなく、ブランドイメージを体現する重要な工程です。

例えば金融関連のサイトなら、信頼感を重視した落ち着いたブルーやネイビーを基調に。スタートアップなら明るい色使いでスピード感や革新性を表現する、といった具合です。

色やフォント、画像のトーンを統一することでサイト全体に一貫性が生まれ、ユーザーに安心感を与えることができます。こうして完成したコンセプトを基に、実装フェーズに移行します。

サイト設計を行う上での注意点

サイト設計を行う上で、気を付けたいポイントについて解説します。

導線設計と内部リンク

サイト設計では、ユーザーがページ内で迷子にならず、目的の情報へ自然にたどり着けるような導線を組み立てることが大切です。

ピラーページからクラスターページへスムーズに誘導し、さらに関連ページへつながるような内部リンクを意識すると、ユーザーの回遊率が高まります。また、パンくずリストを設置することで「自分が今サイトのどの位置にいるか」を明示でき、ユーザーのストレスを軽減できます。

内部リンクはSEOにも直結するため、意図的に構造化することが成果につながります。ただし、無理にリンクを増やすと読みづらさにつながるため、自然な文脈で配置しましょう。

UX設計

ユーザーがストレスなく情報を探せるかどうかは、サイトの成否を分ける大きなポイントです。トップメニューに情報を詰め込み過ぎると混乱を招くため、5〜7項目に整理するのが理想です。スマホユーザーが増えている今は、ハンバーガーメニュー(3本の水平線で表示されるアイコン。クリックするとメニューが表示される)やアイコンを駆使して、直感的に操作できる設計を心がけましょう。

また、文字サイズや余白の取り方、配色のコントラストなどもUXを左右する要素です。視覚的に理解しやすいデザインで、直帰率の低下やコンバージョンの増加を狙いましょう。

ページ単位のSEO設計

サイト全体の構造と同じくらい大切なのが、ページ単位でのSEO設計です。H1タグは必ず1つに限定し、H2・H3を論理的に並べることで、検索エンジンにもユーザーにも分かりやすい記事構造が生まれます。また、タイトルやmeta descriptionは検索結果でユーザーのクリックを左右する要素ですから、「思わずクリックしたくなる」工夫が必要です。

例えば、「導入事例まとめ」というシンプルなタイトルよりも「【成功事例10選】導入後に売上が30%伸びた理由」というように、数字や具体性を盛り込むと効果的です。

技術的な注意点

近年のSEOにおいては、技術的な最適化も欠かせません。Googleはモバイルファーストインデックスを採用しているため、モバイル表示に最適化されていないサイトは評価が下がります。レスポンシブデザインは必須で、表示速度も重要です。画像を適切に圧縮したり、キャッシュを利用したりして、ユーザーがストレスなく閲覧できるよう改善しましょう。

さらに、SSL対応はもはや必須条件です。ブラウザで「保護されていない通信」と表示されるサイトでは、ユーザーが不安を抱き離脱するリスクが高まります。セキュリティとSEOの両面から、技術的な最適化を怠らないことが求められます。

サイト設計後の運用における注意点とは

サイト設計は「完成したら終わり」ではありません。むしろ、公開後の運用段階で設計の良し悪しが試されます。

まず、Google Search Consoleを使ってクロール状況やインデックス登録を定期的に確認しましょう。クロールエラーが発生していたり、意図したページがインデックスされていなかったりすると、SEOの成果に直結します。問題を早期に発見して修正できる体制を整えることが大切です。

また、ページの追加を前提として、設計思想に沿ったルールを決めておきます。カテゴリを無視してページを追加してしまうと、せっかく整理された構造が崩れ、SEO効果が薄れてしまいます。ページ追加の際には「どの階層に配置すべきか」「どのページから内部リンクを貼るか」を必ず検討しましょう。

さらに、定期的な内部リンクの見直しも欠かせません。サイトの更新を重ねるうちに、古いページが孤立してアクセスされなくなることがあります。孤立ページはSEO評価を得られにくく、ユーザー体験の面でも不親切です。既存ページ同士を関連付け、全体として循環するリンク構造を保つことが、サイトの成長につながります。

大規模なリニューアルを行う場合には、旧URLから新URLへのリダイレクト設計も必須です。リダイレクトを適切に設定しなければ、これまで蓄積してきたSEO評価を失いかねません。検索順位や被リンクの評価を維持するためにも、技術的な移行計画を緻密に立てることが重要です。

当社SEOコンサルタント渥美より

サイト設計はサイト規模や種類に関わらず、現代のSEOにとって最も重要な項目の一つです。特に大規模サイト、データベース系サイトはこれがすべてといっても過言ではありません。また業種などによっても構造は大きく異なってきますのでじっくり時間をかけて最適な形を見つけて行くことが重要です。

渥美 嘉将

アパレルECの運営を経験した後、SEOコンサルタントとして10年以上の実績、計100件以上のクライアント案件に携わる。テクニカルSEOの知見が豊富で分析、改善起案を得意としており、長年に渡り月間数億UU規模の大規模WebサイトにおけるSEOプロジェクトをメインで担当し続けている。お客様に寄り添うことを何より大切にしている。

まとめ

サイト設計はSEOの土台であり、ユーザー体験の基盤です。設計が整っていないと、いくらコンテンツを増やしても効果は限定的になってしまいます。この記事でご紹介した内容を参考にして、サイト設計を進めてください。

自社だけで進めるのが難しい場合は、専門家に相談するのも有効です。アイオイクス株式会社では、SEO・コンテンツ制作・コンバージョン改善まで包括的にサポートしています。新規サイト制作やリニューアルを検討している担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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