囚われの聴衆と潜在的成長市場のこととなると、中国はとても大きく、とても魅力的である。モバイル、インターネット、コンシューマーテクノロジーの採用は、15億人が住む共産主義国の間で驚くほどの速さで成長し、他のどこかでは見つけられそうもないスタートアップの機会を提供している。
しかしながら、中国には、言語から始まり数々の課題が伴う。中国語を身に付けるのは容易ではないが、それらの注目市場をひるませるのはコミュニケーションだけではない。文化の違いや、ローカル市場のユニークさは、企業がそこで成功することを試みるのを手助けする信頼できる現地のパートナーを余儀なくさせる。
モバイルは、そのプラットフォームが以前は想像しなかった新しいレベルのコミュニケーションを可能にしているため、中国のテクノロジー界の中で最大のチャンスの中心である。
多くの新興市場や自由主義国の外の国々と同様に、PCと固定回線のインターネットとテクノロジーは、アメリカやヨーロッパなどでしたように広く注意を集めて影響を与えることができなかった。1つの理由は、コンピュータが、平均的な(恐らく中流階級)中国人消費者には金銭的に手の届かない高価で比較的ぜいたく品であることだ。スマートフォンの人気が出る前の数年は特にそうだった。
そして、テクノロジーの課題がある。都会では、インターネットはもともと使用が可能で、ある程度安定しているが、地方は言うまでもなく二番手三番手の都市エリアでは質が低下する。つまり、PCを購入することができた人でさえも、使用可能性と安定性とインターネットのコストによって妨げられているのだ。
インターネットカフェがWeb体験を提供するために登場しているが、モバイルは、多くの中国人がより意義のある専用手段でWebに‘飛び乗る’可能性を持っている。
中国での機会を検討するためには、この国のモバイル市場におけるいくつかの背景を明白にすることが重要だ。アメリカやヨーロッパとは違って、AppleのiPhoneやSamsungのGalaxy S3がもともと大きな助成を受けていないため(つまりここでもそれらは金銭的に多くの人の手に届かないのである)、中国でのモバイルWebの変化を導いているのはハイエンドのスマートフォンではない。
その代わりに、中くらいまたは低価格のデバイスがAndroidもしくはそれの中国版と共に、より手の届く体験を提供してきた。Googleが所有するプラットフォームは、北京を拠点とするiResearchによると、2011年最終四半期におけるスマートフォン販売の55%を占めており、彼らが中国での道を拓くのを見るのはさほど驚きではない。
Appleは、最も向上心のあるテクノロジー企業としての立場を維持し、iPhoneデバイスは今も多くの大衆を魅了し大きな注目を集めているが、そのプラットフォームは、2012年の終わりには2億人にまで成長すると予測されている中国のスマートフォンユーザーの間では同じようなけん引力を持っていない。
しかし、このバランスが傾く可能性がある。China UnicomとChina Telecom―この国におけるAppleの2つのパートナー携帯会社―が、完全な補助金を得たiPhone 4Sデバイスを提供し始めたのだ。しかしながら、この段階では、デバイスを即座に購入できなかった人たちを引き付けるには価格と必要な契約期間が極端すぎる。
Appleは、今年初めにChina Telecomをパートナーとして追加し、同時に様々なサブディールを契約中であり、結果的により消費者にアピール力のある価格で製品を提供できるようになるかもしれない。
もしAppleが最終的に6億6000万の加入者を持つオペレーターChina Mobile(世界最大のキャリア)とのタイアップに合意できたなら、その状況は変化し、中国の電話会社に圧勝するだろう。そのような動きは、今年中に起こることが予測されていて、それはクパチーノを拠点とする会社が、オペレーターの3Gネットワークを管理するユニークな電話会社のスタンダードに適合するデバイスを生み出すことができるかどうかにかかっている。
現状では、Androidが中国でより大きな採用を手にしているが、Appleの携帯(とタブレット)は、この国では裕福で(たぶん)テックに精通している人たちによって所有されている。他の要因間では、それが、Appleユーザーを収益化のための‘より良い質’の消費者にするが、彼らの広がりははるかに薄い。それぞれにセールスポイントを持つ両方のプラットフォームが、モバイルの機会に焦点を合わせたスタートアップにとっては必要不可欠である。
写真クレジット: Josh Ong / The Next Web
中国のテックシーンは、独自のかなりユニークなエコシステムを持っているが、それは、数々の欧米のWeb大手企業を政府が妨害していることのおかげによるところもある。中国のインターネット企業が成長するためにそれらの企業にさらなる認可が与えられているのだ。欧米の大手企業がそのような状況の中でどのように機能することになるのかは不明瞭だが、Googleの例を見ると、政府当局と衝突した後、2010年に香港にその検索エンジンを移した。前例は有望ではない。
中国のキープレイヤーであるTencdentは、収益と時価総額において最大で、その収益は2012年の最初の四半期には6億7710万ドルを記録し、前年比75%の上昇が見られている。この会社は、幅広いサービスを提供するが、主に、ゲーム、Webio、マイクロブログ、動画、そして一番の武器であるQQメッセージングサービスを含むエンターテイメントに焦点を合わせている。
Tencentは、QQの登録数は6億であると主張しており(それは中国の5億人というインターネットユーザー数を超える)、そのインスタントメッセージング製品は、Tencentのサイトの全てに存在し、GoogleがGoogle+が容認されるためにしたのと同じ方法で注目と使用数を集める手助けをしている。
Tencent (時価総額:4270億5000万ドル)は、アクティブなベンチャーキャピタルの武器も持っていて、その最近の契約には、アメリカを拠点とするEquity Gamesの株の購入も含まれる。この会社のシリコンバレーを拠点とするチームが、数多くの人材スカウトを管理していて、Tancentは海外市場に拡大することに乗り気になっているため、それは重要である。
Baiduは中国のGoogleとして見られており、その中核となる力が検索であることを考えて単純に比較されるが、米国ライバルによって提供されるものを真似した(それを上回ることさえある)地図、クラウドストレージ、ドキュメント、wiki、その他Webサービスにも手を伸ばしている。
近年、それは大口投資家ではなかったが―旅行ポータルQunarへの3億600万ドルは別として―、Baiduは買収と投資により焦点を置くつもりであると公に誓ってきたし、ブラウザメーカーの買い切りというよりは投資の方が可能性が高いが、中国のOperaのようなUCWebがその目に留まったと考えられている。
他の多くの中国企業と同様に、Baiduは、この国におけるスマートフォンの所有とモバイルインターネット使用の急増に合わせてそのモバイルサービスを際立たせることに焦点を合わせている。そのことを頭に入れると、将来有望なスタートアップや、UCWebのようなその分野に参加する買収に関心がありそうだ。
SinaはTwitterに似たSina Weiboマイクロブロギングサービスで良く知られているマルチメディア企業で、3億人の登録ユーザーがいると主張しているが、その数字はスパムアカウントやアクティブではないユーザーによって誇張されているかもしれない。
WeiboはSinaの中核となる製品だが、ビジネスはそれだけではなく、この会社は、中国トップのテクノロジーサイトを含む人気のインターネットポータルを運営していて、Weiboサービスに繋がる動画や写真アルバムなど他のサービスにも手を伸ばしてきた。この会社は、買収をするよりも、新しい製品を導入して、サービスと戦略を試す傾向がある。
Baiduのように、Sinaは、そのモバイルサービスの成長と、過去に損失し続けてきたWeiboでブレークすることに焦点を合わせている。この会社は、匿名のWebユーザーを不法とする中国政府の新しい政策にも取り組んでいる。この会社は、‘本名’のポリシー(Weiboユーザーが自分のアイデンティティが本物であることを証明するために必要不可欠)をゆっくりと採用し、プラットフォーム上の慎重に扱うべき情報の‘管理’に応える部分的な非公開によってすでにヒットしてきた。
時価総額33億4000万ドルのSinaは、他社と同じようにWeiboを自己規制しているが、政府の影響は、この会社が引き合いに出してきたビジネスにおける1つのリスク要因である。
Youkuは中国最大のWeb動画サイトで、時価総額は23億7000万ドル、ライバルTudou(時価総額8億7500万ドル)との合併の過程にあり、最近10億ドル以上での獲得に合意した。この契約は、2012年第3四半期に進められると予想され、新しい事業体が享受することになる結合したリソースを考えると、それは中国の他の動画界のプレイヤーに圧力をかけるだろう。
YouKuの経営陣は、その合併が、魅力を増やすためのコンテンツ契約を交渉し削減する力強い手を与え、運営費において9000万ドルを節約すると見積もっている。
それはある程度の差をつけて中国最大の動画プレイヤーになるが、合併した会社はマーケットシェアの50%以下しか持たないだろう。それは、恐らくM&Aもしくはいくつかの競合相手の死を介したさらなる合併を示唆する。
Youkuは、ユニークなコンテンツの頑強なセレクションを築くことに加えて、モバイルサービスを強化することと、プラットフォームからの利益を増やすことに焦点を合わせている。このサイトは、排他的なエンターテイメントコンテンツを運営していて、新しいユーザーと収益をサイトにもたらすことを目的として他のゴールデンタイムのプログラムに飛び付くつもりだ。
中国には、70億ドルのNeteaseやソーシャルネットワークのRenrenとKaixin、インフラ出身でハードウェアのプレイヤーであるHuaweiとZTEなど他にもたくさんの影響力のあるプレイヤーがいて、それぞれがモバイル戦略とビジネスを成長させることに関する特定の焦点を持って中国でのシェアを成長させている。
中国での投資は、多くのスタートアップとその支持者たちにとって売却が重要なエグジットであるアメリカのモデルとはかなり異なり、IPOが多くの人が目指す重要なルートとなった。
しかしながら、FacebookのIPO実行に関する論争、Grouponのいざこざ、たくさんの上場した中国企業の下方スパイラルを含む複数の要因の組み合わせが、IPOルートに疑問を投げかけている。
グループ購入サイトのLashouは、最近、計画していたIPOをキャンセルした(疑わしい会計の訴えの中)が、他の多くの企業も延期や中止をしている。
さらに言うと、中国のVC企業間の活動は過去18か月間で相当に縮小している。Thomson Reutersのレポートによると、2012年第1四半期のVCの投資は前年度に比べて80%少なくなったことが分かった。IPOの減少は、口座詐欺や政府介入のような一般的な中国の懸案事項と並行して警告を発してきた。
中国のテック業界の不意をついたモバイルの拡大を前提として、この市場に存在する大きな買収の可能性に対する議論があり、たくさんのアメリカを拠点とする投資家が興味を示している。
今年始め、Fidelity Investmentsがコンシューマーインターネット界をターゲットとした2億5000万ドルの資金を発表し、SAIF Partners、Skypeの創設者Niklas ZennstromのAtomicoなどの企業がゲームやモバイル関連のスタートアップにお金を注ぎ込んできた。
より多くの企業が中国の提供する機会を調査することを発表したり望むにつれて、地元のエキスパートやメンターへのアクセスを手にした中国・アメリカのデュアルアクセラレーターが増加しそうだ。今の所、既存の2つのプログラムが目立っている。
Chinacceleratorは、現在、駆け出し企業の第2陣に参加するための申込みを受け付けているTechstarsネットワークの一員である。去年の初めてのプログラムでは、フランス人のCyril Ebersweilerが率いるこのアクセラレーターは、3人の卒業生が合計して110万ドルを超える資金を集めるのを目にした。
現在はOrangeによって支援されている4か月間のプログラムは、具体的に言うと、ソフトウェアとWebに関連したスタートアップ向けで、全く新しい企業とすでにある程度のけん引力を得ている企業の両方を迎え入れている。
提供される資金のレベルは、最大40,000中国元(6,000ドル以上)だが、このチームは卒業したスタートアップがこの国で発展し続ける手助けをするために地元の専門技術とつてを提供している。
InnoSpringは、同社最初の米中アクセラレーター/シード・ファンドプログラムを立ち上げた。このシードプログラムは、いくつかの有名どころ―Kleiner Perkins、Northern Light VC、GSR Venturesを含む―によってバックアップされ、このアクセラレータープログラムのオープニングイベントには100人以上の投資家が集まり、第一陣となる12のスタートアップをチェックした。
この段階で、InnospringのEugene Zhangは、これらの企業の大部分が中国にルーツを持つが、いずれは、この国への結びつきの少ない企業が米中専門のプログラムへの関与を求めるだろうと楽観視していることを明らかにした。
6か月間のプログラムは、中国に影響を与えることができる才能を集める手助けをするために、シード前およびシード後のプログラムを提供している。
写真クレジット: Josh Ong / The Next Web
モバイルは中国にとって明確な焦点であるが、この国のアプリのエコシステムは、比較できる従来のモデルがほとんどないため、ユニークな場所というよりは混乱している。
サードパーティアプリストアが牛耳り、それには非公式の海賊版ストアや認可を受けた独立のアプリストア、オペレーターによって経営されるストア、携帯メーカーによって経営されるストア、そしてもちろん公式ストアが含まれる。Appleのオペレーティングシステムとアプリプラットフォームの厳しい統制が、Googleよりも大きな支配力を持つ立場を保ってきた。
クパチーノを拠点とするこの企業は、去年、iPhoneやiPadを所有する人のために、ローカルペイメントを受け入れ始め、需要の中心にとどまっている。しかしながら、ジェイルブレイクした携帯を持つ人は、何千ものストアから好きなものを選ぶことができる。それはAppleが直面する1つの問題であるが、消費者がフリーミアムのゲームを使用することに慣れ、前払いの価格設定が多くの人にとっては魅力的ではない―Appleの文化がこれを変えるのを手助けしてはいるのだが―ため、中国ではその規模は大きくなる。
Googleは支配力の少ないポジションにいる。Google Playストアは無料ゲームのみを‘販売’し、この市場にある様々なAndroidデバイスのために無料アプリを保有する数百以上のアプリストアに対して、ほとんど影響を与えていない。この会社は、公式の小売店―携帯電話会社やインディーズのアプリストアなど―との歳入分与契約をしているが、検索大手のコントロール外にある海賊版や非公式のコンテンツにどれくらい費やされているかは正確には分からない。
アプリデベロッパーが中国で‘状況を把握せずに行動する’必要はない。なぜなら、The9やYodo1のようなパブリッシャーが、世界最大のスマートフォン市場であるこの国で、アプリを改正し、市場に出し、最終的に販売するのを手助けするローカルの専門知識とつてを持ってそこに着地しているからだ。
最近200万ドルの資金を手にしたYodo1のCEO、Henry Fongは、デベロッパーは、AndroidとiOSの両方にアプローチしなければならないし、ローカル企業との連携が、最も適切なアプリストアに理想的なパートナーを介して公開されたアプリと共に適切に実行されるこのプロレスの重要な部分である流通を確保すると考えている。
Yodo1は、ゲームメカニズム、収益化戦略、その他ゲームの大切な部分を、中国で実行したり販売したりするのに合わせてカスタマイズしさえする。
中国で成功するには姿を現してこの国に製品を送ること以上のものが必要であるため、その完全なカスタマイゼーションアプローチは、アプリと同じくらいにスタートアップにも適用されるアプローチだ。
どんな起業家志望の人も自分自身で準備と調査をしなければならないのは確かだが、いくつかのアドバイスは常に重宝するものだ。少しでも力になるため、私たちは、コンサルタント、ブロガー、投資家など、中国における12人のインフルエンサーを選んだ。もしあなたが中国での可能性を探索することに興味があるなら、彼らのところに行こう。
Queen’s Road Capitalの創設者、Fritz Demopoulos: ほぼ間違いなく、中国で最も成功した外国人起業家で、Qunarを創設した。
Plus Eight StarとMobile Monday Beijing の創設者、Benjamin Joffe: 中国のトップインフルエンサーの1人であるJeffeは、他に依存しないエンジェル投資家であり起業家だ。
Tech Riceの創設者、Kai Lukoff: Lukoffは、中国で最も信頼され影響力のある英語のテックブログの1つとなったTechRiceを始めた。中国を流暢に話す彼は、アプリストアでコンテンツパブリッシャーのWandoujiaのコンサルタントだ。
Technodeの創設者、Gang Lu: Luは中国で最も有名なテックブロガーの1人で、Technodeに加えて、Web印刷サービスとOpen Web Asiaグループの創設者でもある。
ShanghaivestとMobile Monday Shanghaiの創設者、Bruno Bensaid: Bensaidは、2008年、国境を越えた中型のM&A取引に焦点を合わせた投資会社を始めた。
Tudouの共同創設者、Marc van der Chijs: 中国のテック界で最も成功している外国人創設者の1人だ。オランダ人のvan der Chijsは、もうTudouには関与しておらず、今はUnitedSylesというファッションサイトを運営しているが、中国とアジアに強いコネを維持している。
GSR Venturesの共同経営者、Allen Zhu: 以前は保険とビジネス開発のコンサルタントだったZhuは、インターネット、ワイヤレス、エンタープライズITへの投資に焦点を合わせている。
China Ventureの創設者、Jay Chen: 以前はSoftbankの中国パートナーだったChenは、帰国後の2005年にChina Ventureを創設し、その間、従業員にはBear StearnsやBlackRockがいた。
Qiming Venture Partnersの創設者、Gary Rieschel: 以前はCiscoとIntelのエグゼクティブだったRieschelは、中国でのアーリーステージへの投資に焦点を合わせた10億ドルのファンドを運営する。
Mustang Venturesの創設者およびMD、Rob McCormack: かつてTridentとMorgan Stanly Venturesに籍を置いていたMcCormackは、中国のアーリーステージ企業に投資をするベンチャーを始めた。
Zero2IPO Groupの創設者、Gavin Ni: Zero2IPOは中国のVCと投資家にコンサルタントを提供し、中国の投資市場の状況についてマーケットインテリジェンスを提供する。
Northern Light Venture Capitalの創設MD、Feng Deng: 香港を拠点とするNorth Lightは、2005年に創設され、グレーターチャイナでの早期および成長ステージの機会に焦点を合わせている。共同創設者のDengは、かつてJuniper Networkに籍を置いていた。この会社は、彼が共同創設した会社、Netscreenを42億ドルで購入した。
この記事は、The Next Webに掲載された「The startup guide to China」を翻訳した内容です。
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