コンテンツ イズ キングという言葉にもはや懐かしさを覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、コンテンツの品質ほど現在のSEOにおいて重要な要素はないかもしれません。ユーザーの意図に合致したコンテンツを作成することに、日夜励まれている方も多いでしょう。その際、「そもそも品質とは何だろう?」と自問自答する機会もあるはずです。もちろん、明確な答えは存在しませんが、常に考え抜く姿勢が具体的な内容に反映されると思います。今回は、コンテンツの「品質」を扱った、Search Engine Landの記事を紹介します。
ユーザーのためになり、検索結果で上位に表示され、競合を上回る高品質なコンテンツの作成方法を学ぼう。
「高品質なコンテンツ」とは、主観的なものである。初心者にやさしいまとめ記事を望む人もいれば、専門家による深い洞察を望む人もいるだろう。高品質なコンテンツは、既存のコンテンツよりも優れたものであり、ユーザーが有益と考え、記憶に残り、共有したくなるコンテンツである。
SEOの担当者として、通常、我々はユーザーが検索しているものについてコンテンツを作成する。こうすることで、そのコンテンツは有益なコンテンツとなるが、検索結果の上位に表示されるコンテンツを読むと、同じような内容が書かれていることも多い。数件のコンテンツを読んでいると、同じコンテンツを繰り返し読んでいる気になってくる。
「10倍の〇〇」や「スカイスクレイパー」といったバズワードは多くあるが、あなたが本当に作成すべきコンテンツは、既存のコンテンツよりも優れたコンテンツなのである。
新しくコンテンツを作成する際、あなたにはアドバンテージがある。検索結果の上位に表示されているコンテンツを確認することができ、これが、あなたが超えるべき水準となる。
では、その方法を見ていこう。
目次
高品質なコンテンツの作成には、科学の要素もあり、芸術の要素もある。また、多くの努力と専門性も求められる。
SEOの担当者は多くのデータを参照することができる。例を挙げてみよう。
検索ユーザーの多くは、基本的な内容を素早く、簡単に見つけることを目的としている。構造が整理され、簡素化され、読みやすいコンテンツは有益と言える。
SEOの担当者によって作成されるコンテンツの多くは、検索結果の上位に表示されることを目的としていることが多いが、同時に、ユーザーにとっても有益なコンテンツである。ユーザーが検索している事柄に言及し、そのトピックについての答えを提供するのである。多くのユーザーにとって、このようなコンテンツはそのトピックの初級編として最適なのである。
問題は、専門性を偽ったり、専門性を偽ったライターが書くケースである。
高品質なコンテンツを作成するためには、本当の意味の専門性が必要である。
既存のコンテンツとの差別化を図るための例を挙げてみよう。
現在上位に表示されているコンテンツは、何年間も上位に表示されている可能性がある。その間にコンテンツを更新することで、その品質を高めていることも考えられる。
また、既存のコンテンツは関連性のある大量のリンクを保持している可能性もある。上位に表示されているコンテンツはリンクを獲得しやすい傾向があるため、これが既存のコンテンツを打ち負かすことが難しい理由にもなっている。
こうしたコンテンツを打ち負かすためには、通常以上の努力が必要となり、それは簡単なことではない。
これを実現するためには、チームの力が必要だ。
それぞれの担当者が、高品質なコンテンツを作成するために必要なスキルを提供することになる。
こうしたコンテンツを作成するためには、多くの企業が快く投資する以上の労力が必要となる。また、何らかの成功を初期に示すことができなければ、賛同を得ることも難しいだろう。ヒットを数回生んだり、何らかの成果を示すことができれば、こうしたコンテンツを作成するために必要なリソースを求めることが容易になるだろう。
私が見てきた、多くの企業が陥る罠は、コンテンツの作成を反復的なプロセスではなく、一回きりの作業としてしまうことである。より多くのリソースを獲得し、さらに上位の順位を求めるのであれば、いつでもコンテンツを改良することができるのだ。
例えば、私がSearch Engine Landでこの記事を書くのは、実は、2回目なのである。もともとは、2016年に高品質なコンテンツについての記事を作成していたが、当時よりも今のほうが、共有できる経験や専門性は多いのである。
品質は主観的なものである故、それを測定することは難しい。SEO担当者の多くは、文字数やキーワードの密集度などを計測するが、これらは誤った指標である。誰かの年齢のように、たった1つの数字で答えることができるクエリもある。その人の人生のすべてを語る必要はない。
品質を測定するための正しい方法は1つではない。
SEOの担当者として見るべき指標を挙げてみよう。
ビジネス側の担当者が見るべき指標の例は下記である。
また、ユーザーの満足度といった指標も検討しても良いだろう。
複数のウォンツとニーズを持つ、多くの異なるユーザーにとってのより良い検索結果を提供するという、非常に難しいタスクを検索エンジンは担っている。一般的に、検索エンジンは異なるユーザーインテントを満たすために、複数のコンテンツを表示する傾向がある。これにより、各ユーザーが何らかの有益な情報を見つけることができる可能性が高まるのである。
では、検索エンジンが提供する、高品質なコンテンツを作成するためのガイダンスを見ていこう。
ユーザーにとって最適なコンテンツを判断することを目的とし、Googleは多くのアルゴリズムを作成している。また、こうしたアルゴリズムが見ているものについてのガイダンスも提供している。
検索エンジンが求めているコンテンツの種類を説明するために使用された用語をいくつか挙げてみよう。
これらのほとんどは主観的な形容詞であり、測定することは困難である。しかし、エンジニアが自身に問いかけている質問や、品質評価者に提供しているガイダンスなど、多くの情報を提供している。
Googleの品質評価ガイドラインに書かれている内容を見ていこう。
下記の施策は避けるべき施策だ。
従うべきベストプラクティスは下記である。
Googleのウェブマスター・アカデミーのセクション(Wayback Machineでアーカイブされている)には、「価値のあるコンテンツの作成」の方法についてのガイダンスが提供されている。
コンテンツの作成を開始する際、あなたのWebサイトが下記の状態であることを確認する。
役に立ち、有益であること:レストランのWebサイトの場合、店舗の場所、営業時間、お問い合わせ情報、メニュー、イベント情報を記載したブログ、などを掲載すると良いだろう。
他のWebサイトよりも価値があり、有益であること:犬のしつけ方についてのブログの場合は、Web上に存在する犬の訓練についてのあらゆる記事よりも価値があり、異なる視点を提供する。
信頼性:独自の調査、サイテーション、リンク、レビュー、テストモニアルなどを活用し、信頼性を示す。著者の履歴や実在する顧客からのテストモニアルなどは、あなたのWebサイトの信頼性や評判を高めることに役立つだろう。
高品質:あなたのWebサイトのコンテンツは独自性があり、具体的で、高品質である必要がある。大量に生成されたものや、他の多くのWebサイトにアウトソースされたものであってはならない。あなたのコンテンツは、検索結果の上位に表示されるために作成されるのではなく、訪問者に素晴らしい体験を提供することを目的として作成されるべきなのだ。
魅力的:製品、チームメンバー、あなた自身の画像を追加するなどして、Webサイトに色彩と命を吹き込む。訪問者がスペルミスや文体、事実誤認などに気を取られないようにする。過剰な広告も、訪問者の気を逸らしてしまう。定期的な更新、コメント欄、ソーシャルメディアのウィジットなどを活用し、訪問者との関りを保つ。
Googleの品質評価のガイドラインは(何度も)読む価値がある。品質に特化した、重要なパートを抜粋しよう。
4.1 高品質なページの特徴
高品質なコンテンツは、情報の提供、人々に笑いを提供する、自身を芸術的に表現する、オンラインで製品やサービスを購入するなど、有益な目的のために存在している。
何が、ページを高品質にするのだろうか?高品質なページには有益な目的があり、その目的を十分に達成している。加えて、高品質なページには下記の特徴がある。
- 専門性、権威性、信頼性(E-A-T)が高い
- 説明的で役に立つタイトルを付け、メインコンテンツの量も十分であり、品質も高い
- Webサイト自体の説明や、そのWebサイトの責任を持つ人物についての情報が十分であること。ショッピングや金融取引を含むWebサイトの場合、カスタマーサービスの情報は十分に提供されるべき。
- そのページのメインコンテンツを提供するWebサイトについてのポジティブな評判。Webサイトの作成者とメインコンテンツの作成者が異なる場合、メインコンテンツの作成者のポジティブな評判が重要。
4.2 十分な量の高品質なメインコンテンツ
メインコンテンツの品質は、ページの品質の評価において最も重要な指標の一つであり、そのページのE-A-Tに影響する。どのような種類のWebサイトであれ、高品質なメインコンテンツの作成には、時間、労力、専門性、才能、スキルの内、少なくとも一つは必要とされる。ニュース記事や情報を提供するページの場合、高品質なメインコンテンツは、そのトピックが事実に裏付けされたものであり、(それが存在する場合)専門家とのコンセンサスが必要とされる。
ページを評価する際、結論を出す前に、メインコンテンツを数分かけて精読する。記事を読む、動画を視聴する、画像を確認する、計算機を使用する、オンラインゲームで遊ぶ、などを行う。メインコンテンツには、そのページの特徴や機能も含まれているため、それらも確認する。例えば、ECサイトの商品ページの場合、少なくとも一つの賞品をカートに入れ、カートが機能しているかどうかを確認する。オンラインゲームのページの場合は、そのゲームで遊んでみる。
そのページの目的を確認することで、そのページにとっての高品質が何を意味するのかを判断する手助けとなる。例えば、情報を提供する高品質なページの場合、事実に基づいており、明確に書かれており、包括的であるべきだ。高品質なショッピングページの場合、求めている商品をユーザーが発見でき、簡単に購入することができるはずだ。ユーモアや風刺を扱うページの場合、ユーザーがそれは風刺であると判断できれば、事実に基づいているかどうかは問われない。
ユーザーを満足させるために必要なコンテンツの量は、そのページのトピックや目的によって異なる。様々なタイプの情報を扱う幅広いWebサイトの場合、狭いトピックを扱うWebサイトよりも多くのコンテンツが必要となる。下記に、十分な量の高品質なメインコンテンツを記載している例を挙げよう。
パンダアルゴリズム、コアアルゴリズム、プロダクトレビューアップデート、ヘルプフルコンテンツアップデートなど、様々なアルゴリズムについてのベストプラクティスをGoogleは提供している。
それらは、こちらの記事でまとめられている。
Googleのアルゴリズムと関連情報
MicrosoftのBingもガイダンスを提供しており、それは下記3つの「柱」に分類されている。
高品質なコンテンツの作成には、時間、労力、リソース、専門性が必要である。
すでに素晴らしいコンテンツを作成している人々を超えるためには、より多くの労力、創造性、知識をつぎ込まなければならない。
これが実現できれば、他の人が超えることが難しい堀を作成することができる。例え誰かに追い抜かれたとしても、さらに努力すれば、再びそのポジションを奪還できるかもしれない。
努力を惜しまず、素晴らしいコンテンツを作成しよう!
トピックの性質上、やや概念的な内容が多い印象でした。記事の冒頭にある通り、品質とは主観的なものであるため、あらゆるケースに適用できる具体的な策を見つけることは難しいでしょう。しかし、こうした考えや姿勢を持ったうえでコンテンツ作成に着手することが必要であると思います。Googleからの情報は定期的にアップデートされるため、こうした情報をインプットしつつ、全体的な品質を上げていければと感じました。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「What is quality content?」を翻訳した内容です。
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