インターネット上にある情報の信頼性は、検索ユーザーにとって最も重要な事項のひとつです。Googleなどの検索エンジンは、この信頼性を定量化し、検索結果の質を向上させるために「E-E-A-T」という評価基準を設けました。
E-E-A-Tは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の各英語単語の頭文字を取ったもので、Webページやコンテンツの品質を評価するうえで重要な指標です。しかし、この4つの要素が一体どのような意味を持ち、どうやってWebサイトやコンテンツに適用すればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、E-E-A-Tの重要性や、取り組むべき具体的な施策について解説します。さらに、YMYL(Your Money or Your Life)との違いについても触れ、信頼性の高い情報をユーザーに提供するための方法を紹介します。
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目次
E-E-A-Tは、GoogleがWebコンテンツの品質を評価するために使用する基準のひとつです。E-E-A-Tは、以下の4つの意味があります。
これらの品質を求めることで、コンテンツクリエイターが質の高い、信頼できる情報を提供することを目指しています。
経験は、特定の分野に対して、具体的な知識や直接的な体験を指します。筆者やクリエイターの、実際にあった経験を通じて得た独自の洞察を提供することで、コンテンツの信頼性を高める重要な要素となるでしょう。
たとえば、旅行関連のWebサイトでは、多くの国や地域を訪れた旅行者が書いた記事やガイドが、ユーザーにとって価値ある情報源となります。また、料理のWebサイトやブログでは、経験豊富なシェフや料理研究家によるレシピや調理法が、ユーザーにとって有用な知識となるでしょう。
ビジネスや経営の分野においても、実際に企業の経営者や、長年ビジネス界で活動してきた専門家による記事やコラムは、リアルな市場の動向や経営戦略に関する洞察をユーザーへ届けられるでしょう。
以上で挙げた例からわかるように、経験(Experience)は、特定の分野に対する具体的な知識や直接的な体験に基づくものであり、コンテンツの信頼性と関連性を高める重要な要素です。
経験豊富な筆者やクリエイターは、実際の体験を通じて得た独自の視点を共有して、よりリアルで信頼性の高いコンテンツを作成することが求められています。
専門性は、特定の分野に対する深い知識や技能を指します。専門家によるコンテンツは、その分野における豊富な知識や経験に基づいているため、ユーザーが求める正確で信頼できる情報を提供できるという考え方です。
たとえば、医療関連のWebサイトでは、医学的な専門知識を持つ医師や研究者によって作成されたコンテンツが、患者や一般の人々に対して正確で信頼性の高い情報を提供することが期待されます。同様に、金融関連のWebサイトであれば、経済学者や証券アナリスト、ファイナンシャルプランナーなどの専門家による記事や分析が、ユーザーにとって信頼できる情報源となるでしょう。
これらの例からわかるように、専門性(Expertise)はコンテンツの信頼性を高める重要な要素です。特定分野に関する深い知識や実践的な経験が、ユーザーに価値ある情報を提供するための基盤となります。専門家に依頼し、情報が正確で有用性の高いコンテンツを作成することで、ユーザーからの信頼を獲得でき、Webサイトの評価を高めます。
権威性は、特定の分野に関するコンテンツクリエイターや、Webサイトが業界内外でどれだけ認められているかを表します。権威性が高いと評価されるためには、第三者からの引用や推薦、その分野における認知度が影響するため、専門性の分野とも合致する部分もあるでしょう。
たとえば、医療分野のWebサイトでは、医学界の権威ある医師や研究者による記事が、そのサイトの権威性を高めます。専門家が発表する研究論文が他の医学雑誌やメディアで引用されると、サイトやコンテンツの注目度が高まり、権威性も上がります。同様に、教育分野においても、有名大学の教授や教育専門家が運営するWebサイトは、教育分野での高い権威性を持つでしょう。
ビジネスや金融分野では、業界で名声を得た専門家や分析家によるWebサイトやブログが、高い権威性を持ちます。権威性(Authoritativeness)の高いコンテンツは、その分野における認知度によってさらに強化され、ユーザーにとって信頼できる情報源となるのです。
信頼性は、情報の正確性・透明性・安全性を指します。信頼性の高いコンテンツは、確かな出典に基づき、ユーザーが信頼してその情報を利用できます。また、個人情報の保護やセキュリティ面での信頼を確立することも、信頼性を高めるうえで不可欠です。
健康や医療に関するWebサイトでは、最新の医学研究や臨床試験の結果を基にした記事が、信頼性の高いコンテンツとなります。こうした情報を提供する際には、出典や参照する研究論文の詳細を明記することが重要です。これにより、ユーザーは提供される情報が信頼できる科学的根拠に基づいていることを確認できます。
金融情報を提供するWebサイトの場合、市場のデータや経済分析において、最新かつ正確な情報を提供することが信頼性を高めます。また、金融アドバイスや投資戦略を提供する際には、情報の出典や根拠を透明に示すことが求められます。これにより、ユーザーは提供される情報が現実的で信頼できるものであると確信できるのです。ECなどのショッピングサイトの場合は、商品情報の正確性と、安全で信頼できる取引環境の提供が信頼性を高めます。
信頼性(Trustworthiness)は、コンテンツの正確性・透明性・安全性を通じて構築されます。信頼性の高いコンテンツは、確かな出典に基づき、ユーザーが安心して情報を利用できるものでなければなりません。また、Webサイトが個人情報の保護やセキュリティに注力することも、信頼性を高めるうえで非常に重要なポイントです。
インターネット上で情報を検索する際、ユーザーは正確で信頼できる情報源を求めています。Googleなどの検索エンジンは、このユーザーのニーズを満たすために、E-E-A-Tという概念を導入しました。E-E-A-Tは、Webコンテンツの品質を判断するための基準となり、検索結果のランキングに直接的な影響を与えます。なぜE-E-A-Tがこれほどまでに重要視されるのか、順番に解説します。
ユーザーがWeb上で得られる情報の正確性と信頼性は、コンテンツの質に直結します。とくに高い品質が求められるのは、医療・健康・金融・法律といった専門的知識を要する領域です。不正確な情報を発信することで、人々の生活や健康、経済に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。ユーザーの人生を左右する可能性もあるため、専門領域で提供する情報の正確性と信頼性にはとくに注意が必要です。
たとえば医療や健康情報を提供するWebサイトでは、医師をはじめとする医療の専門家による記事の監修や寄稿を積極的に取り入れ、コンテンツの信頼性を高める必要があります。
Web上では、誤情報が拡散されるリスクがあります。Web上のフェイク情報は、単なる間違いだけにとどまらず、ユーザーの人生に影響する可能性があるため、誤った情報の流出は危険が伴います。
とくにワクチンや病気の治療法についてのフェイク情報は、人々の混乱を招き、社会的なパニックを引き起こすこともあるため、注意が必要です。また、市場に関するフェイク情報では、経済に大きな影響を及ぼし、投資家に損失を与える可能性があります。
さらに、特定の個人に関する根拠のない評判が拡散された場合、評判やキャリアに永続的な損害を与える可能性も考えられます。
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E-E-A-Tに似た概念としてYMYL(Your Money or Your Life)があります。ここから、YMYLについて見ていきましょう。
E-E-A-TはWebページやコンテンツの作成者が持つ経験・専門性・権威性・信頼性のレベルを評価します。対して、YMYLは「特定の人のお金や人生」に直接的に影響を与えうるコンテンツのカテゴリーやジャンルを指します。
E-E-A-TとYMYLは互いに深く関連しています。Googleは、YMYLに関するサイトやコンテンツに対して、とくに高いE-E-A-T基準を求める傾向があります。YMYL領域では、誤った情報や低品質の情報がユーザーに深刻な悪影響を与えるリスクがあるため、専門性・権威性・信頼性が重要視されることを覚えておくとよいでしょう。
E-E-A-Tの評価を高めるためには、Webサイトの内容や運営方法に効果的な施策が重要です。以下に、各項目に対する具体的な施策をまとめました。
E-E-A-T施策 | 具体例 | 期待できる効果 |
実体験に基づくストーリー性のあるコンテンツを提供する。 | 実体験やケーススタディを取り入れた記事を作成する。 | コンテンツに深みを与え、ユーザーの関心を引きつける。 |
筆者のプロフィールを詳細にし、専門性を明確にする。 | 筆者の経歴、専門分野、資格などを詳細に記載する。 | 筆者の専門知識や信頼性を簡単に理解できるようにする。 |
他サイトから信頼されるリンクを得る。 | 質の高いコンテンツを作成し、信頼できるウェブサイトから被リンクを獲得する。 | サイトの権威性を高める。 |
引用や参照元のサイテーションを積極的に行う。※1 | 信頼できる情報源を積極的に引用し、参照元を明記する。 | コンテンツの信頼性を高める。 |
肯定的なユーザーレビューや口コミを増やす。 | 優れたユーザーエクスペリエンスを提供し、ポジティブなレビューを促進する。 | サイトの評判を向上させる。 |
サイトのセキュリティを確保し、HTTPSを使用する。 | SSL証明書を導入し、HTTPS通信を実装する。 | ユーザーの安全と信頼を確保する。 |
ドメインの所有者情報を公開する。 | Who isデータベースで透明性のある情報公開を行う。 | サイトの透明性を高める。 |
ドメインの所有者情報を公開する。 | 企業の歴史、運営者の情報、事業内容を詳しく記載する。 | 信頼性を高め、ユーザーに明確な情報を提供する。 |
企業・運営者の詳細情報や事業内容を充実させる | 提供情報の正確性を保証する。 | データや統計の出典を明記し、情報の正確性を保証する。 |
提供情報の正確性を保証する | 企業や運営者のプロフィールをウィキペディアに登録する。 | コンテンツの正確性を保ち、ユーザーの信頼を獲得する。 |
ウィキペディアに事業やプロフィールを登録する | ウィキペディアに事業やプロフィールを登録する。 | 権威性を高める。 |
専門家の監修やインタビューを通じて信頼性を裏付ける。 | 企業や運営者のプロフィールをウィキペディアに登録する。 | 権威性を高める。 |
専門家の監修やインタビューを通じて信頼性を裏付ける。 | 専門家による監修やインタビューを行う。 | コンテンツの信頼性をさらに強化する。 |
これらの施策を行うことで、E-E-A-Tの効果が期待できます。
※1
サイテーションとは?概要やSEO効果、獲得方法について解説|ブランドイメージの向上に役立てよう
E-E-A-Tは、情報が正確で信頼できるものかを評価する際に、Googleが重視する重要な基準です。このガイドラインに従ってコンテンツを作成することで、検索エンジンにおけるコンテンツの可視性を高めます。結果として、より多くのユーザーに価値ある情報を届けるための重要なポイントとなるでしょう。
ジャンルによっては、YMYL領域に触れるケースもあるため、E-E-A-Tと併せて注意が必要です。基本的に信用できる確かな情報や体験を、信頼できる人物が発信していることでSEO効果が高まるという考え方になります。すでにコンテンツを発信している場合は、どの部分が足りていないかを見直してみるのもよいでしょう。
E-E-A-Tを重視したWebサイトやコンテンツ制作を行うには、専門家に相談するのもおすすめです。弊社では20年以上に渡り、SEOコンサルティングサービスを提供してきました。成果や効果を出すための施策や改善提案から支援いたします。ぜひお気軽に弊社へご相談ください。
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