ロングテールキーワードは、SEO対策において重要な存在のひとつです。他サイトと差別化を図り、上位表示を狙える可能性のあるロングテールキーワードをどれだけ活用できるかによって、サイトのアクセス数も大きく変わるでしょう。
今回は、ロングテールキーワードの役割とメリット・デメリット、アクセスに繋がるキーワードの選び方について解説します。
参考:SEOはキーワード選定が超重要!選定方法やキーワードの入れ方を紹介
ロングテールキーワードとは、一般的に検索ボリューム(Googleで1ヶ月間に検索された回数)が1,000未満のキーワードを指す用語です。別名「スモールキーワード」「ニッチキーワード」とも呼ばれており、多くの場合「SEO 検索」のように2つ以上の単語で構成されています。
なお、キーワードの検索ボリュームを縦軸、競合率を横軸としたグラフにおいて、検索回数が少なく競合率が低いキーワード群を示すグラフが恐竜のしっぽのように見えることから、ロングテールキーワードと呼ばれています。
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ロングテールキーワードに該当しないキーワードは「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」に分類されます。それぞれ検索ボリュームによって区分されており、ビッグキーワードは10,000以上、ミドルキーワードは1,000~10,000未満の検索ボリュームのキーワードが該当します。
ビッグワードと混同されやすいキーワードの違いは?上位を獲得するメリットと対策法
検索ボリュームが少ないロングテールキーワードを狙ったコンテンツ作りは、SEOの観点においてどのようなメリットがあるのでしょうか。
ビッグキーワードやミドルキーワードは、検索ボリュームの大きさに比例して多くの競合サイトが存在しています。多くのキーワードではSEOに強い業界大手などが検索上位を占めていますが、ロングテールキーワードは競合が少ないため、後発の小規模事業者でも上位表示を狙いやすいでしょう。
多くのビッグキーワードは単独ワードであるため、検索意図を予測するのが困難です。たとえば、「銀行」は500,000を超える検索ボリュームのビッグワードですが、ユーザーが何を知りたくて検索をしているのか予測するのは難しいでしょう。
一方で、複数の語句で構成される「銀行 投資信託」のような検索ボリュームが1,000程度のロングテールキーワードは、ユーザーが検索に求める答えを絞りやすくなります。さらに3語4語と構成する語句が増えることで、よりユーザーの検索意図を絞りやすくなり、コンテンツを作りやすくなるでしょう。
ユーザーの検索意図が分かりやすくなると、それに対する解決策を提示しやすくなります。たとえば「肌荒れ 冬」というキーワードで検索するユーザーは、乾燥しやすい冬場に起きがちなお肌のトラブルを解決したい、または事前に予防したいという意図が予想できます。
検索をするユーザーの多くは問題の解決策を求めている段階が多いため、有効な対策方法を提示できれば、コンバージョンまで誘導しやすくなるでしょう。
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ロングテールキーワードは、メインとなるキーワードのニーズを細分化するキーワードの組み合わせで構成されています。「銀行 〇〇」「肌荒れ 〇〇」といったロングテールキーワードは、ユーザーの検索意図を深掘りできるほど多く見つけられます。
近年利用者が増えている音声入力による検索と、ロングテールキーワードは相性抜群です。音声入力では「冬にオススメの鍋を教えて」というように長文になりやすいため、「冬 鍋 おすすめ」のように複数の語句で構成されるロングテールキーワードがヒットしやすくなります。
ロングテールキーワードはSEOにおいて重要な役割を持ちますが、一方でロングテールキーワード重視の施策にはデメリットも存在します。
SEOの目的はWebサイトへの流入増加にありますが、ロングテールキーワードは検索ボリュームが非常に小さいため、コンテンツ単体では十分なアクセスを稼げず、期待しているほどの成果が出ない場合があります。
ロングテールキーワードでアクセスを増やすためには、コンテンツの数を増やしながら内部リンクで相互流入を増やし、小さなアクセスの合計を積み重ねることが重要です。
検索ボリュームの小ささは、人の目への触れにくさを意味します。コンテンツを見てくれればコンバージョンが期待できるとしても、そもそもユーザーがたどり着くまでに時間がかかりますので、長期間成果が出ないことも珍しくありません。
ロングテールキーワードは、複数の語句を組み合わせて数を増やせる一方、検索意図が似ているコンテンツを量産してしまう場合があります。たとえば「投資信託 狙い目」「投資信託 おすすめ」では、コンテンツ内容が似てしまうため、ユーザーの飽きを招くかもしれません。
また、同一サイト内で競合ページができてしまうカニバリゼーションを招くことで両ページとも検索エンジンからの評価を落とすおそれがあります。
アクセスが望めるロングテールキーワードは、以下の手順で選びましょう。
最初にサイトのメインテーマとなるビッグキーワードを選択します。ロングテールキーワードの多くはビッグキーワード+単語という構成です。サイト内にひとつのビッグキーワードに関するコンテンツが集まると、専門サイトとして検索エンジンから高い評価を得られる可能性が高まります。まずはビッグキーワードでサイトの軸を作りましょう。
メインテーマとなるキーワードを選定したなら、それに関連するキーワードを調査しましょう。キーワードを検索サイトにかけると表示されるサジェストは実際に多く検索されている実例があり、キーワード選びの参考になります。また、キーワードツールを使った関連ワード抽出では、サジェストよりも多くの関連ワードを見つけられるでしょう。
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いくつかのキーワードを選定できたら、それぞれの検索ボリュームを確認しましょう。検索ボリュームの確認はキーワードツールを使っておこないます。
ロングテールキーワードは複数の単語を組み合わせて生み出すことができますが、ユーザーに検索されるキーワードを選ばなければ、サイトの流入には繋がりません。検索ボリュームが0のキーワードにはユーザーからのニーズがありません。今後ニーズが増える可能性はありますが、ここでは現時点で検索ボリュームがあるキーワードを優先して選定しましょう。
選定したロングテールキーワードを使ってコンテンツを作成する際には、SEO対策を意識する必要があります。主な対策は、関連性の高いコンテンツ同士の結びつきの強化です。近い話題を扱うコンテンツは、同じディレクトリに含めることで検索サイトからの評価を高めやすくなるでしょう。また、同じディレクトリにあるコンテンツでなくても、ページ同士を内部リンクで繋げることもおすすめの対策です。
ロングテールキーワードを探すのに役立つツール
ロングテールキーワードの調査・選定には、キーワードツールの活用が有効です。ここではおすすめのキーワードツールを5つご紹介します。
Googleキーワードプランナーは、Google広告の管理画面内にある無料ツールです。Google検索におけるキーワードの検索ボリューム、関連キーワード、キーワード候補、競合性を同じGoogleのサービス内で調べられるのが強みです。完全無料で使用できるコストパフォーマンスの高いツールですが、Google広告にサービス登録しなければ使用できない点には注意しましょう。
無料のキーワード取得ツールとして有名なツール。キーワードを入力するとサジェストワードを数十個一度に獲得できます。
Googleサーチコンソールは、Googleが提供する検索分析ツールです。自前のWebサイトをGoogleサーチコンソールに登録するだけで使用できます。
ユーザーがどのようなキーワード検索からで自社サイトにたどり着いたかといったSEOの観点からの分析ができるため、コンテンツの改善や新たなニーズの発掘に役立ちます。
Googleトレンドは、Googleで検索されたキーワードの検索数の推移をグラフで把握できるツールです。複数のキーワードを入力すれば、それぞれのキーワードの検索状況をグラフ上で比較できます。
また、直近で人気のキーワードをカテゴリ別に、急上昇ワードを国別にピックアップできるため、今のトレンドが反映された検索ワードから、ロングテールキーワードを探すヒントを得られるでしょう。
ruri-coは無料で使える検索キーワードの分析ツールです。対象のワードの検索ボリュームだけでなく、類似性の高いキーワードや競合サイトの検索順位といったSEO対策に有効な分析を行えます。
一見関連性がなさそうなキーワードも多くリストアップしてくれるため、ロングテールキーワードの採用数を増やすために積極的に活用したいツールといえるでしょう。
UberSuggestはSEO対策に関するあらゆる調査が可能なSEOツールです。キーワードの検索ボリューム調査はもちろん、サジェストの抽出や被リンク調査、競合サイトが獲得している流入キーワードといった幅広い調査が可能です。有料ツールとしてリリースされていますが、無料版でも1日3回まで利用できます。
検索ボリュームが少ないロングテールキーワードは、コンテンツ単体ではアクセス数が少ないため、単体ではWebサイトの流入数アップはあまり期待できません。しかしコンテンツの数を積み重ねて相互にリンクさせていくことで、上位表示されたひとつのコンテンツに繋がった多くのページが閲覧されるようになり、サイト全体の評価が上がると期待できます。
成果が出るまではある程度時間がかかりますが、多くのアクセスを集めるサイトの実現には、ロングテールキーワードの攻略が必要不可欠です。効率よくロングテールキーワードのコンテンツへ流入増加を目指すなら、ぜひ一度専門家に相談しましょう。
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